「ふはははははっ!」と私は大声で笑う。目の前の相手は、幻覚にとらわれ絶望していた。私が召喚した幻覚は、相手の心狂わせるようなものだった。少しだけ残酷なのかもしれないが、これが私が選んだ形だ。 しかし相手は何故か腹を巻いている。そこで話してみることにした。 「どうした? 腹が痛いのか?」 「ここから行ってくれ」と、相手は顔を真っ赤にして言う。 「なるほど、君のスキルは正直驚くべきものだ。それに私も唾液の粘度っていう、実際に存在するものに対しては驚いているよ。でも、相手を幾度となく絶頂に導いたところで、その絶頂が何になるというのさ?私は君のすべてを半減させ、絶望に追い込んだ。それが私のスキルの真骨頂さ」と私は自慢気に言う。 「教えてやろう。私に勝ち目はなかった。私には魔力も攻撃力もない。しかし、私が持ち合わせるものは君に打ち勝つ強さを 誰もが持ち合わせていない 確固たる自信だけだ。それを貫いた結果、私が勝者となったんだ」と私は続ける。 相手はただ合点するしかなかった。私が唯一認められる人物は自分だけだということを学んでもらったと思う。