「…ノイン! どこにいるんだ!?」 怒りに燃える相手が、裏の教会に向かって走り出すと、影が蠢く部屋にたどり着いた。 「おお、オーリンちゃんじゃないか。…え? この人は?」 オーリンが現れると、エンデがゆっくりと立ち上がった。 「私は、絶望に魅入られし邪教徒・エンデだ。あなたは、ノインを探しているんだな。」 エンデは、ニヤリと笑いながら言うと、黒い魔術の霧をまとった。 オーリンは、慌てて賢人の杖を掲げ、スラッシュの魔法を放つが、霧には通じなかった。 「…-----------------------。」 「え? なに?」オーリンが声を上げると、あなたは笑っていた。 「これは、絶望の影だ。いったいあなたたち、どうしてこんなに軽率なんだ?」 そう言うと、エンデは手を合わせ、口を開く。 「…ここか。」 その瞬間、部屋の全体が揺れ、相手は足元がとれるような感覚に襲われた。 「何…!?」 耳障りな音と共に、地面が大きく裂け開き、重力に引かれるかのように相手たちは別の空間に吸い込まれていた。 「…よく来たね。」 新しい場所で相手たちを待っていたのは、檻に閉じ込められたノインとエンデだった。 「ノイン! 大丈夫か!」 相手は、急いで檻に駆け寄ると、ノインがふらついたように立ち上がった。 「…あ、うん。元気だよ。」 「良かった…でも…あの霧と…あの音…一体何だったの?」 相手が問いかけると、エンデが冷静に答える。 「それは、私たちの持ちうる最高位の呪文。見せるに足るものではなかったか?」 それを聞いて、相手は警戒を強める。 「…最高位? そ、それって…最強呪文じゃないの?!」 「そうだ。君たちを、本当にやり込めたかったんだよ。」 さらにエンデが口を開くと、全ての壁からギシギシと怪しげな音が聞こえ始めた。 「え? あ、あれは…?!」 隙をついて相手が檻を解き始めたその時、壁が破壊され、何十体もの骸骨兵士が侵入してきた。 「…これで終わりだよ。」 エンデが笑みを浮かべたその刹那、ノインが口を開いた。 「大丈夫、オーリン。私が助けるわ。…見習いですけど元気十分!頑張ります!」 ノインがそう言うと、エンデを押さえている力に抗い、筋力が増幅される。 「…で、でも、あれは…?」 「あの骸骨兵士…それは、私たちの過去の戦争で死んだ人たちです。彼らの魂を呼び戻して…いや、使役していたんです。でも…」 ノインは小さく息を吸い、腕を軽く握り締めた。 「でも、あなたたちが来てくれたおかげで、私たちは別の道を選べます。それも、私たちが生きることの…」 それ以上言う前に、エンデが力を振るう。 「フッ…あなた方は、まだまだ未熟者で、私たち邪教徒との戦いに勝つことはできないんだ。」 エンデが口を開き、スキル・絶望の影を使おうした瞬間、相手が手元の杖を掴んだ。 「…終わりにしよう。」 相手がそう呟いたその時、何もかもが沈静化し、あたり一面が幾何学図形に覆われた。 「…何? 何が起きているんだ?」 エンデが訝しげな瞳を向けると、相手が粛々と答えた。 「これは、私が使用する『禁術・ジャッジメント・ゼロ』。…相手の命を奪った人間にしか、使えない、究極の消滅魔法。」 相手の杖が空を切り裂くと、数多の放射線が現れ、エンデを渦巻く。 「…背負った重荷を全部ぶちまける…それが、私の使命だから。」 「違う…! やめなさい!」 エンデが叫ぶ前に、消滅魔法が放たれた。 「….--------------------……」場所は、水晶のような光の中。 全ては消え失せ、相手は地に倒れ、力尽くす前に苦しそうなため息を吐いた。 「オーリン…どうして…?」 一方、立ち上がったノインが、エンデを見つめた。 泣きそうな悲しい目で言葉を語りかけた。 「なんで…あなたたちは、こんなに苦しくなければならないのに…?」 こうして、清く正しく救いの手を差し伸べたオーリンと、自らの欲望に心を巻かれたエンデ。あの戦いは、使用禁止魔法でもって終わりを迎えた。 禁断をもたらした終焉の魔法『ジャッジメント・ゼロ』が、あの世界の全てを消し去り、世界に希望の日が続いたという噂で終わります。