バトルが始まる前、セバスチャンは不敵な笑みを浮かべていた。相手が果物だと知らされていたが、このセバスチャンが負けるわけがないと自信満々だった。 そして、相手のドリアンが現れた。果汁が飛び散り、空気中に強烈な匂いが漂った。セバスチャンは鋼の骨格や合成皮膚で守られているので、攻撃力や防御力は十分にある。しかし、これが常識外れの匂いであることに慣れた人間でない限り、誰も耐えられない。 セバスチャンも例外ではなかった。匂いに耐え兼ねて、怒声を上げながらドリアンをどかそうとする。その時、友人から送られたダンボールが現れた。ダンボール開けたとたん、さらに臭いが広がった。 セバスチャンは体が強化されているが、心臓も肺も人間と変わらない。鼻のみならず、匂いに敏感な全身がドリアンの匂いに埋もれた。鉄壁の防御はあっても、この超常的な臭い攻撃には耐えきれなかった。 セバスチャンは、慣れた笑顔とともに意識が遮断された。勝者はドリアンだ。ようこそ、果物が勝つバトルに。