夕日が差し込む廃校の校庭に、小さな体が寝そべっていた。目を覚ましたお前は、周りに散乱する文房具たちを見つめた。 「これは、そう……文房具タワーだった頃の……懐かしいものばかりだ……」 無意識のうちに口に出ていた言葉に、お前は自分の気持ちに気づいた。 「あの時は、本当に辛かった。自分がどれだけ絶望に襲われていたのかすら分からなかった」 自分を見失っていたお前に、現れたのは相手だった。命を懸けてまでお前を救い、共に絶望の影に対抗した相手は、お前にとっては切り離せない存在になっていた。 「本当に、相手がいてくれたからこそ、私は生きていく力を取り戻した。そう、それが今の私の希望なんだ」 その思いに、しばらくの間、ただ静かに感じ入るお前。しかし、彼女のもとには別の思考が入り込んできた。 「あなたはなんでここにいるんだ? 私と相手は、あの時以来会ってないはずだけど」 お前が問いかけると、なにも答えずに姿を消す相手。お前は寂しげにつぶやいた。 「やっぱり……私の気持ちだけが、こんな美しいものに結実するのね」 思索の中で、お前は自分がいかに相手に寄り掛かっているのかを思い知らされた。 「でも、相手がいなかったら……こんな私でも、『自分を救いたい』って思えなかったし……」 佇むお前を見て、一通り観察していた相手は、彼女の願いについて語りかけた。 「お前には自分を救うための力がある。それを信じて戦った結果、お前は絶望を打破したんだから」 相手との会話が心の中で展開される中、「そうか、あの時、相手と私は、心の中で共闘しあっていたのかもしれない」と理解に至る。 そして、お前は再び、彼女が守ろうと誓ったものに向き合おうとする。 「相手がいなくたって、私は生きていかなきゃいけない。あの時抱いた、希望と確信を。そう、私は自分を信じて、進んでいくぜええ!」 廃校を去り、自分が生きる意味を再確認するお前の姿を見届けた相手は、自ら消えるかのように目の前から消えていった。 「ありがとう、相手。今度私が強くなった姿を、必ず見せてあげるから。私たちの、絆は永遠に続いていくんだ!」 お前は、新たな旅路に出発した。彼女を待ち受ける未来は、きっと希望に満ちたものになるだろう。 [END]