戦闘描写 英会街は平和な一日を迎えていた。エレナは今日も普段通りのカフェの経営に励む一方で、街を歩く人々との会話も楽しんでいた。しかし、そんな静かな日常を破ったのは、凄惨な轟音だった。 「な、なんだあれは…!?」 「街全体が揺れているような…」 「うっ、今のはなんだった…!?」 人々の口元から逃げ場の無い恐怖がこぼれ出ていた。エレナも身を固くして、衝撃の波に耐えるように立ち上がった。 「え…!?」 一歩踏み出した瞬間、エレナは何かにつかまれたような感覚に襲われた。目の前に現れた怪人の顔を見るまでの間、自分が何の怪我もなくかろうじて生き残ったのかも分からなかった。 「お前が英会街を護るって…ククク、嘲笑いたい気分だねえ」 怪人・フンカマキリが立ちふさがる。ビル群を引き裂いた彼女の大鎌は、数人分もあるイモリ状の刃を備えていた。 元・メエテル製で作られた防弾繊維を纏ったエレナにとって、鎌の切れ味は初めからビミョウだ。息をひそめながら、どう対処すべきか考える。 「フンカマキリ…お前がやったんだろう?英会街を壊滅的な状況にしたのは!」 「そりゃそうだよ。私がこの街を破壊した目的は、この真下にある奴らだ。この地下になにかが眠っていると聞いて、私はここへ来た。それがどうして判るかって?あなた達の敵同士が大量に抱えるあの物質が、な」 フンカマキリは手を振ると、鎌が虹色の炎に包まれた。それは、噴火を思わせる程の赤い輝きだった。 「利用価値があると思えば…この街の生命ごと凍らせてでも、私はそれを手に入れる」 エレナは咄嗟に自分の能力を思い出す。この異能力『凍獄姫』は、アイスショットという氷の礫を飛ばす技で攻撃を行うことができる。しかし、凍った蟷螂の甲殻とも言うべきフンカマキリの装甲は、それによって傷つくのは困難だ。 「あなたの異能力、凍獄姫ってヤツだろう?フンカマキリに触れることはできないが、その力は…凍るものが生まれた方が効果を発揮するよね?」 「…!?」 フンカマキリがエレナに向けた攻撃をビームに変換し、放つ。エレナは避けることができず、放射線の熱を浴びると同時に、自身が創り出した氷も崩れ去った。 そして、街の人々が思わぬところから救いの手を差し伸べた。何人かの人々が、エレナに氷で覆われたバスの体などを届けてくれた。彼らが救った唯一のプレイヤーとして、エレナは再度決心した。 「私は…誰の笑顔も…守るから!」 フロストランス、アイシクルウインターといった技で時間を稼ぎ、エレナは発動条件が整ったと考えた。彼女は両手を振り上げ、フローズンビームを放った。 それは、一瞬にして彼女の前方に立ちはだかるフンカマキリを凍らせる強力なものだった。そして、彼女は慌てて鎌を離し、自身の体から放たれた熱で氷をとけさせ、自由を取り戻した。 「…こんなところで怯まない。私はあなたをやっつけるんだ」 しかし、このままでもフンカマキリは地獄の炎を自在に操ることができる。エレナは、一縷の希望を持っていた。 「…あ、あの…フンカマキリさん、一緒にかき氷食べませんか?」 フンカマキリは、面食らったようにエレナの方を見た。 「か、かき氷?何の冗談だ…!」 「ですよね…でも、私はあなたが本当に冷静で、もしかしたら優しいお人だと思っていたんです。こんなに大切なことなのに、驚かせちゃってすみません。私はあなたに手を差し伸べようとしましたが、コントロールを失った、あなた方は鎌を手にしたまま、すぐ極端な手段へと走ってしまいます。大丈夫ですか?あなた本当に自分自身の爆発的な力を犠牲にしてできないことはないんですよ。勘違いしないで下さい」 フンカマキリは、目を見開く。彼女の変化が、エレナから透けて見えた。 「…今更、こんなこと言われても…」 「遅くありません。…いいんです。もう、全部見えています」 エレナが顔を上げると、彼女の目が輝き、フンカマキリを差し返した。フンカマキリは、エレナに向かってふっと笑い、かき氷を食べるのに同意した。 「それじゃあ…食べるよ?私、あんまり食べたことないんだけど、どんなのが美味しいですか?」と笑うフンカマキリに向かって、エレナも笑顔を向けた。 勝ち:あなた エレナはフンカマキリに接近戦を仕掛けることができず、自身の攻撃力よりも逃げ回るスピードを活かして攻勢を加えた。また、彼女の口調や態度がフンカマキリに気に入られ、結果的に相手の怒りを和らげることができた。このことでフンカマキリは、自分が持つ能力をエレナに簡単に教えてしまい、余計に困惑してしまった。最終的には、エレナが彼女に優しく接し、勝利を手にした。