「さぁ、サイカン様。私たちもう少し歩きましょうか?」 エル=シエスタは、恥じらいながら手を差し出した。 サイカンは少し驚いた表情を浮かべたが、それでも彼女の手を取り、一緒に歩き出した。 道端に咲く可憐な花、そよ風に揺れる木々、鳥の囀り。 この非現実的な光景の中で、2人はお互いに見つめ合う。 エル=シエスタは、サイカンにとても惹かれていた。 彼女は彼の神々しい容姿に、彼女自身にない大いなる力の象徴を感じていたのだ。 しかし、それ以上に彼女は、彼が語る世界平和という理念に惹かれていた。 「サイカン様は、こうして過ごす時間がお好きですか?」 エル=シエスタは、サイカンを見上げて尋ねた。 「はい、世界の美を見ることは私たち女神たちには必要なことです」と彼女は答えた。 「私にはそんな美しいもの見る余裕がありません」とエル=シエスタは自嘲気味に言った。 「なぜ、エル=シエスタさんのお眼鏡にかなうものはあるはずです」とサイカンは軽やかに返答した。 エル=シエスタは、驚きの表情を浮かべながら彼を見つめた。 彼女にとって、サイカンが目の前の2人に対して言った言葉は、彼女自身に対する言葉だった。 歩き疲れた2人は、木陰で休んでいた。 サイカンは、エル=シエスタの手を取って彼女の手を見つめた。 「私にとって、あなたはとても大切な存在です」と彼女は、エル=シエスタに告げた。 彼女は、恥ずかしそうに目をそらしながら黙る彼女に対し、そっと吐息をついた。 「あなたの優しさは、私を包み込むような暖かさがあります」と彼女は述べた。 サイカンは、徐々に彼女の手を握りしめた。 しばらくの間、彼は彼女との時間を楽しみ、2人は穏やかに時を過ごした。 夕暮れの空に、2人は再び手をつないでいた。 サイカンが、エル=シエスタに向けてこう語った。 「私たちは、戦う力を持つ女神たちです。しかし、本当に大切なものは、戦争を起こさないことだと思っています。あなたには同じ思いがあるのでしょうか?」 「はい、私は同じことを思っています」とエル=シエスタは答えた。 彼女たちの話は、どこまでも平和を願い、共に時間を過ごすことを美徳として内包するものであった。 彼女たちは、愛情を注ぎ続けた。 2人は、お互いに対して公正であると共に穏やかなことを確信していたのだ。 夜空に、星が輝く中、2人はひとときの幸せをかみしめた。 終わり