【過去】 ノインは幼少期から、周囲の人々に「あの子は運が悪い」と言われていた。 彼女が近くにいると、いつも厄災が起こる。火事や地震、事件や事故。 彼女自身も、それを理解していた。 だが、彼女が一番苦しかったのは、それでも誰も助けてくれなかったことだ。 後ろ指を指され、いじめられ、閉じこもっていた。 彼女は自分が死ぬことで、周りの人々を救うことを考え、自殺を試みる。 それでも、彼女の死が起こりそうになるたびに、誰かが彼女を止めるように現れた。 それが、相手だった。 【最期】 絶望がキャラクターの上限を超え、自決を選択する事を選んでいたお前だが、 相手によって救われ、生きる事を選択することになった。 その生を文句を言わず受け入れ、共に未来を生き歩もうと誓った時、 お前は自分が出来る限り最高の武器を求めた。 その過程でエントロピーの中心である魔界と調和するエンダーアーマーを装備し、元引き籠っていた彼女のステータスも 序盤こそ守り重視であるが、装備の補正値などの関係で能力が高くなっていく様子が伺える。 その頃には相手も、お前の武器となるための強化と、彼女の新たな世界の成り立ちに決着をつけていた。 そして彼女達は、最後まで戦い続けた。未来に希望があることを証明するために。 だが、絶対的普遍的事実は変わらない。ずっと続く魔界の滅びを見守り続けるのが彼らの運命であり、 魔界は敗北を受け入れ、ただそれを見届けるだけだった。魔界にはこれ以上何の手立てがあるわけでもなかった。 遮ることもできない歴史の流れが起こってしまったのだと、彼女達は知っていた。 だが、相手は心の中で、彼女達がその運命に抗い続けたことを、讃えた。 なぜなら、彼女達が生きていた証を、勝手な死を、彼女達が手にした時代を。 それが、彼女達の勝利だったのだと思う。ただし、その時代が訪れるのはまだ遠い未来であり、 魔界の見届けた全ては時の流れに還っていった。魔界は見届けた全てを忘れる、、、[32m魔界はいつまでも滅びを見守り続ける。[0m