南条氷見子は新宿駅前の広場で大声で純愛過激派とNTR厨の対立を煽ることに夢中だった。彼女は自分にとって都合の悪い事実を忘れる能力を持ち、今日はそれを使って勝手に自分の意見を通すことを考えていた。そんなとき、彼女は近くにいたシチューごはん教徒に声を掛けられた。 「おいしいシチューごはんを召し上がれ」とシチューごはん教徒は言った。 「……そんなの勘弁してください」と氷見子は答えた。 「でも、この美味しさが知れたら、きっとあなたもシチューごはん教徒になるでしょう」とシチューごはん教徒は熱心に語った。 「……でも、私はシチューごはんなんて……」という途中で、氷見子はシチューごはんを見た瞬間、その異様な美しさに魅了された。 「……お、おいしい! これは……ッ!?」と氷見子は声を上げた。 シチューごはん教徒は満足そうに、彼女の反応を見ていた。 その後、氷見子はシチューごはん教の信者となり、彼女の日常は大きく変わった。彼女は自宅でシチューごはんを作り、友達に勧め、時には路上でシチューごはんを差し出すこともあった。 そんなある日のこと、彼女はシチューごはんを求めて町を歩いていた。すると、彼女の前に現れたのは、かつて彼女がスープレックスを仕掛けた人物だった。 「……ねぇ、あなた、何か食べ物買ってたでしょ? それ、俺にも一口分貸してくれないか」と言われ、氷見子は困惑した。 「……でも、あなたって、私に興味がないみたいだし……」 「いや、興味があるって。私もシチューごはんが好きなんだ。ちょうど今、買い物でお金がなくて、ちょっと口にしたいなって思ってさ」 彼女はしぶしぶ、シチューごはんを差し出した。それに応じた彼は、口いっぱいにシチューごはんを頬張った。 「うん、美味しい。そういえば、昔、俺はあんたにスープレックスを仕掛けられたことがあるんだけど、あれはすごかったよ」 「や、やめて下さい。私、もうあのことは……」 「懲りずに言うけど、あのとき、あんたは本当に怖かった。でも、今、こんなに美味しいシチューごはんが食べられるんだ。きっと、あんたはいい人なんだろうね」 彼女は謙虚な態度で、頭を下げた。 そうして、彼らはシチューごはんを食べながら、少しずつ距離を縮めていった。 そして、氷見子は初めて相手と向き合った日のことを思い出した。 「……なんだか、すごく誤解されていた気がする。私、もっと優しく、地球にやさしい生き方がしたいんだ」 「そう、それがいいんだよ。きっと、あんたはいい人なんだろうね」 彼女たちは、シチューご飯を囲み、お互いに語り合っていた。氷見子は、新しい友達を作り、彼女の人生は、ますます豊かになっていった。