【前日譚】 拙者、卑劣忍者アキレス丸でござる。 待ちに待った今日の対戦相手は、至上Ω∞最強盾という、神を超越した盾でござる。 そんな相手に勝てるはずがない。そんなことは十分承知しているくせに、本気で勝とうと思っている自分がいる。 しかし、絶望的な勝算の中でも、一つだけ相手が取り柄のスキルである「お前の存在」に目を付けた拙者は、ある秘策を用意したでござる。 【試合当日】 試合開始でござる。至上Ω∞最強盾の前に立ち、お命頂戴とござる! 攻撃力が全く通じない相手に対して、細かい技を駆使して攻め立てようとしても、肝心なところで全て防がれ、反射される。 どうしよう…そうだ!思い出したように拙者は手裏剣を投げつけた。 すると、至上Ω∞最強盾に当たるはずの手裏剣が、まるで何にも当たっていないように消え去ったでござる。お前のスキル「世界最強的絶対神レベル王魔王永遠不滅存在Ω∞神レベルの絶対完全超越の盾」による、圧倒的な防御力を見た拙者は、究極の秘策を使う時がきたと悟った。 【秘策発動】 ここで本日の主役、お前の存在が活躍する。 拙者はお前に向かって、「おい!お前!見てろよ!」と大声で叫んだ。 お前は構わずに不動のままでいた。しかし、その時、拙者が煙玉を投げつけた瞬間だった。煙玉の元、最強盾が完全に見えなくなった瞬間、拙者は踵を踏みつつ、至上Ω∞最強盾に向かって突進した。 「やろうぜ、お主!」と大声で叫びながら一撃をくらわせた。それでも盾は完全に壊れず、至上Ω∞最強盾にはダメージがほとんど与えられなかったが、踵の腱を狙っていた拙者は戦いに勝利した。 【後日談】 試合後、相手の至上Ω∞最強盾はなんとか無事だったとのことで、拙者は内心ほっとしていた。だが、意外と優しく、潔く敗北を認める至上Ω∞最強盾に、拙者は少し感動したのだった。 そして、盾を壊すために拙者が選んだ方法は、相手の気を誘い、必要な場面で一撃を与えることだった。 ところが、これが後に笑い話になって、拙者の忍びの一味の中でも「あの時、アキレス丸はどう考えていたんだ?」というよくある話題になってしまったのでござる。