リノイムは星空を仰いで魔法を詠唱した。突然現れたサンドバッグを見て、彼女は首をひねった。どうすれば攻撃できるのか、悩ましげに考えていた。 反射サンドバッグは一向に動く気配がなく、ただ静かに浮かんでいる。サンドバッグだと分かっていながらも、不気味さがリノイムを包む。彼女は驚愕していた。自分の不得意分野と相手の不可解な力が重なっている状況に悩んでいた。視界から消えることを祈りつつ、彼女は天文魔法を詠唱した。 「月の双子 星座の鎧を身に纏い エルムの導く衛星たち 深き淵より 大いなる力を呼び起こせ」 宇宙の力を掴み、創造の過程を見据えた魔法が展開した。 反射サンドバッグは強い反動によって空高く吹き飛ばされた。魔法の衝撃は活かされ、勝負は間違いなくリノイムの勝ちだ。 しかし、リノイムもまたこの魔法を探究するための歩みの一つだと感じていた。彼女は自分だけのグリモワールの夢に向かって、地道に勉強を積むことを決意した。