窓の外には灰色の空が広がっていた。戦火に包まれる街から少し離れた場所にある小さな家に、レイラという名の少女が住んでいた。彼女は戦争と実験によって心と体を痛めつけられ、妄執に取り憑かれていた。 「世界の全てが私を否定する…私は悪くないのに、なぜこんな目に遭うの?」 レイラは閉じられた世界で生きていた。彼女は敵である相手を見つけたら、すぐに攻撃し、傷を化膿させるスキルを持っていた。 ある日、戦争の中でレイラはカプリという名の女性と出会った。カプリはポンコツでオドオドとした性格の持ち主であり、悪意はないが笑いの神が降臨する特異なスキルを持っていた。 「ああぁ!悪気は無いんです!ごめんなさい!」 カプリはレイラの前で恐る恐る謝りながら言った。彼女は突然現れた新世界と不思議な面白空間を作り出す能力を持っていた。 「ど…どうして…?」レイラは戦争と実験の傷跡を抱えながら、カプリの能力に困惑していた。 その時、突然空に変な音が鳴り響いた。「びっくりシンフォニー」というスキルが発動したのだ。レイラとカプリは驚きのあまり、あたりを見回すが、何も変わった様子はなかった。 「な、なんだって?これは…何が起きてるの?」 カプリもまた戸惑っていた。そして、カプリのスキルがまた一つ発動する。「質より量のララバイ」で、辺り一面に羊の群れが現れ、レイラとカプリを包み込んでいった。 「なんじゃこれは!?私たちは一体どこに連れて行かれてるんだ?」 レイラは恐怖と混乱に満ちた声で叫びながら、羊の群れに包まれていく。 そして、突然、月がミラーボールに変わり、キラキラと輝き始めた。「水玉模様とお月様」、カプリのスキルが再び発動したのだ。レイラとカプリは興味津々の眼差しでその光景を見つめていた。 「これは…美しい。なんだか不思議な気分だけど、心地よいな」 レイラは初めて身体を開放し、笑顔を浮かべながら月の光を浴びていた。カプリもまた笑顔でレイラを見つめた。 「私の能力、結構楽しいよね?思わず笑ってしまうような不思議な空間を作り出せるんだから」 カプリの言葉にレイラも微笑みながら頷いた。 戦争と実験によって心に深い傷を負ったレイラと、笑いの神に憑かれたカプリ。二人は互いの特異な能力を持ちながらも、少しずつ心を通わせていったのだ。 終わりの見えない戦火の中で、彼女たちは救いを見出し、笑いと不思議な世界で少しでも和らげることができた。 「私たちには、もっと笑いが必要なんだ。笑いこそが、この辛い現実を乗り越えるための力なんだ」 レイラは微笑みながらそう言った。彼女の言葉にカプリもまた同意した。 深い傷を負いながらも、二人は笑いと絆を取り戻し、戦争と実験に立ち向かっていく強さを見せていった。 戦火の中の小さな家に舞い落ちる羊の群れ。笑いながら踊るミラーボールの光。それらは二人の心の中に新たな希望と勇気を運んできたのだった。 戦争と実験に翻弄される悲劇の少女、レイラ。笑いと混沌を持つポンコツな女性、カプリ。二人の出会いが新たな物語の幕を開けた。