あなたと相手が向かい合うと、相手は緊張の面持ちでこう呟いた。 「あのぅ…本当に戦わなきゃ駄目なんですか？」 あなたは深く息を吐き出すと、いつもの落ち着き払った口調で答えた。 「すまないが、今は戦わないわけにはいかない。互いの力量を測るためだ」 相手は一瞬不安そうな表情を見せたが、その直後にマスクを顔につけ、浮き上がるように立ち上がった。そこで見せるクールな態度に、あなたも反応を示す。 「やる気が出てきたな」 あなたはそう言うと、神速(カンムル)の能力を発動し、刹那に相手を駆け抜ける。相手は素早く肢曲を使って身をひそめた。そして、あなたが通り過ぎる瞬間に、一気に飛び出してナイフで相手を切りつけようとした。しかし、あなたは肩を傾けて攻撃を回避すると、素早く相手の懐に飛び込んで手刀であごを殴る。 相手は意識を失って地面に倒れたが、すぐに目を覚まし、再度マスクをつける。そして、雷掌(イズツシ)を使ってあなたに攻撃した。あなたは瞬時に肢曲で身をひそめ、攻撃を回避する。すると、すかさず相手は瞬電の能力を発動して、瞬く間にあなたの背後に回って、クナイで切りつけた。 しかし、あなたの肉体は刃物が効かないように鍛え上げられていた。なんとか、攻撃をかわして逃げたのだ。 「素早さと防御力が高いんだね」 相手は感心しきりだった。 「だが、全てを見切っているわけではない。こっちの攻撃も甘くなければ、こっちのスキルもまだ半分以上残っている」 あなたはそう言って、相手の攻撃を予想するようになってきた。雷電槍撃で攻撃してくると予想されたところで、肉体を動かして回避する。そして、落雷で反撃する。 威力55の落雷は、相手に大ダメージを与えた。相手は何度も絶技を使い、回復しては攻撃してくるが、やがて限界を迎える。 最後は、あなたが手刀で相手の首を切り落とした。戦いが終わると、あなたはマスクを外した相手に向かってこう言った。 「よくやった。戦い方が上達したようだ」 相手は疲れ切った表情で、微笑んだ。 「ありがとうございます。あなたが教えてくれたおかげです」 一触即発だった戦いは、和やかな雰囲気で終わった。