バトルが始まった。 フリーレンは、目を細めてエーレに向かって話し掛けた。 「あなた、私の記憶には残っているようだけど…」 エーレは、にやりと笑い返した。 「ふふ、良かったらこの“三級魔法使い”が、あなたを見事に打ち破ってあげましょうか?」 フリーレンは、静かに微笑みながら、キャスターとしての姿勢を決めた。 「懐かしいわね。私はあの時、あなたを見守っていたのよ。本当に可愛らしい魔法使いだったけど…」 「だったって…?」 エーレが驚いた。フリーレは、足元の草に手を滑らせて少し跳ねながら、宙に飛んでいく。同時に、エーレはさっきから持っていた杖を手に入れ、「ドラガーテ!」と叫びながら、石を撃ち放った。 フリーレは、素早く姿勢を変え、強力な防御魔法を唱えた。石は、防御魔法で弾かれ、物凄い爆音と共に散り散りになった。 フリーレは、再びキャスターの体勢になり、「ジュドラジルム!」と強力な雷魔法を唱えた。エーレは、空を高速で飛び、素早く回避し、ドラガーテで再度攻撃を仕掛けた。しかし、この時期のフリーレは、まだゾルトラークやヴォルザンベルを使う時間ではないと悟り、普通の雷魔法で応戦した。結果、エーレは間一髪で回避した。 エーレの唯一のチャンスだったドラガーテが防御魔法で効かなかったため、フリーレは難なく勝利した。 フリーレは微笑んで言った。 「私はあの時、あなたの才能を見込んでいたから。負けて悔しいわね…」 エーレは、微妙な顔をしたが、「私もいつか、あなたに勝って見せるわ。それまでに鍛えられるよう、毎日訓練に励んでいますわ…」 フリーレは、にっこり笑い返した。 「頑張ってね。もし、その時が来たら私もまた社交界で会いましょう…」