「よろしくね、トランプの女さん」男が頭を下げると、静かなギャルは少し不審そうな顔をした。「そちらこそ、どうぞ宜しく」 男は、トランプの女が頭に被ったキャップと、Tシャツから垣間見えるくびれたウエストをふと見てしまった。彼女の身長は男より低く、全体的に小柄ながら、鋭く瞳を輝かせている。男は彼女の手に握られているトランプを見て、彼女が武器を扱い得るように思われた。 「それは強そうな武器だね。使い方は教えてくれる？」 「そういうわけにはいかないわ。もし私が負けると、次に闘ってくれる人が上手に使えるよう、技やルールを余すことなく伝えてしまうことになるでしょう？」トランプの女さんは冷静に言う。 「なるほど、さすが用心深い。ただ、僕もただでは済まない職業についている人間だ。今日は別の目的で来たけれど、次は戦いたいと思う」 男は重々しく言った。トランプの女さんは、彼が表の顔がSP、裏の顔が殺し屋であることを感じ取っていた。 「あなたには得意な手段があるみたいだけど、相手は選べない。それじゃ、このトランプで勝負しましょうか」 彼女が手にしたクローバーのトランプを使い、肌触りの良さそうなカードを男に投げた。男はカードを手元で、ゆっくりとめくる。その瞬間、クローバーのカードが光に包まれ、爆発音とともに煙が舞い上がった。 男は意外そうに見せた。だが、トランプの女さんは堂々として気迫のある態度を見せた。「使ったら24時間は再使用できないから気をつけた方がいいわよ。それでは次、私が選びます」 次はハートを選ぶ。彼女が手に持っていたハートのカードを自らの手首に貼っていた。カードは身体にぴったりと装着され、身体の傷が目に見えて回復していった。 男は、この技に対する対策を急いで考えていた。「やはり、やられちまったか…」男は両手で銃を持ち、こちらを向くと、一斉に攻撃を仕掛ける決意を感じた。 「この手、使わせてもらうぜ！」彼は手榴弾を手に取り、それを投げつけてきた。トランプの女は、手にしたスペードのカードを武器に素早く応戦する。 男のピストルは、初めに相手の攻撃を受け止めてから、銃声とともに、トランプの女に向けて弾丸を放ち続けた。 彼は感覚を研ぎ澄ませ、トランプの女の身体がどこにあるのか、どのように動いているのかを把握しようとした。 しかし、トランプの女のステップ技が巧みで、弾丸を全てシャットアウトすることに成功した。「やっと、時間が来たわ。」トランプの女さんは手にしたジョーカーを、男に向かって投げつけた。 彼女のジョーカーは2枚あり、もし相手も自分もこれを使ったら、どちらも死ぬことになる。男は、笑い声とともに、手から銃と手榴弾を落としながら崩れ落ちた。 「わざと自分を犠牲にするスパイもいるんですか？」トランプの女さんは、少し驚いた様子を見せながら、男の魂が天に召されるのを見送った。