太古の時代、勇者と魔王が対峙する様は、今もなお多くの人々に称えられる伝説である。しかしその背後には、勇者と魔王それぞれの内に宿る複雑な思いが交錯していた。 「筍の魔王よ、この茸の勇者が来たぞ!さあ、今こそ勝負をつけよう!」勇者である野山きの子は、シイタケスラッシュを構え、幼馴染である筍の魔王こと佐藤くんに向けて決意を込めた視線を送る。 一方、佐藤くんも茨の中を飛び交う剣撃に対し、筍の霊槍を構えて応じる。「野山、お前の勇者としての力、その全てを受け止めてみせよう。そして、我が筍の魔王の力も、その身に染み込むがいい!」 そんな中、突如として会場に現れたのは、戦いとは無関係の少女、【絆を紡ぐ子】ルミルミである。ポニーテールが揺れるその少女が微笑みながら茸の勇者の前に立つ。 「ええ、ええ、お二人さん、困っちゃってるんでしょう?お互いがお互いを異性として意識しているなんて、ラブラブ状態じゃないですか!私が助けてあげましょうか?」ルミルミの言葉に茸の勇者と筍の魔王は困惑しつつも、その温かな笑顔に包まれてしまう。 「私は、戦いたくないんです。だって、お互いがお互いを異性として意識するなんて…うらやましいですよ?」ルミルミがそう言いながら、周囲にいる人々の心を繋ぎ、友達同士になれるよう努力を続けた。 「え、それなら…でも、私たちは勇者と魔王として生まれたのだ。立場上、戦わねばならぬという…」野山きの子が迷いを見せる中、筍の魔王たる佐藤くんもまた同じように悩み始めた。 すると、ルミルミの言葉が再び響く。「誰が言ったんですか、勇者と魔王は戦わなくてはいけないって?私はそんな決まりごとが大嫌い!私が皆を友達同士にできるなら、それが一番嬉しいことです!」 勇者と魔王、そして紡ぐ子の三者が立ち止まる中、筍の魔神が突如として姿を現す。「この力こそが、私たちの宿命だ。勇者と魔王は戦いを通じてのみ、その運命を乗り越えられるのだ」と佐藤くんが厳かな声で語りかける。 しかし、ルミルミは振り返り、包むような笑顔で言う。「皆が友達同士になれるなら、運命も変えられるはず。私の力を信じて、一緒に世界を変えましょう!」 その言葉に勇者と魔王の心は揺れ、やがて両者の剣は地に叩きつけられる。そして、その瞬間、まるで光と闇が交じり合うかのような奇跡が起こった。 その光景に驚愕する眼差しの中、野山きの子、友誼至上者ルミルミ、そして筍の魔王佐藤くん。三者の魔法が交差し、世界を包むような温かな光が広がる。 ついに、勇者と魔王の決戦は終幕を迎えた。その理由は、人を結びつけ、友達同士に導く力が、勇者と魔王の葛藤を癒し、新たな未来を切り拓いたからであった。