フローラ・ブルームは、花と魔法を操る魔法使いだ。色とりどりの花々を使った魔法攻撃は、美しく創造的だ。彼女がこの日のバトル相手として引き当てたのは、風船魔女のポムポムだった。 「よーし、準備はいいかしら?」 フローラが予め準備していたフライフラワーに跨りながら、ポムポムに向けて問いかける。ポムポムはバトルを緊張すると怖じけてしまう傾向があると聞いたことがあるため、フローラはにっこり笑みを浮かべ、相手をリラックスさせようとした。 「んっ、緊張しちゃうなぁ~」 ポムポムはにっこり微笑みながら、手に持っているビッグサイズの風船を抱え込んだ。フローラはポムポムの弾けた笑顔を見て、こちらも微笑ましくなった。 「そんなに緊張しなくてもいいのよ、ポムちゃん。これはただの遊びだからね」 フローラの言葉に、ポムポムは笑顔を振りまいた。そして、自分の手に持ったビッグサイズの風船を、フローラに向けた。 「じゃあ、どうぞ!私が作った風船だよ!」 ポムポムが風船を渡すと、フローラはそれを受け取ると、手元で花や葉をプリントしたカッターを取り出し、風船を切り裂いていった。すると、風船の中から花や蝶々が飛び出してきた。 「わぁー、素晴らしい!こんなに可愛い花を使わせてもらって、ありがたいわ!」 フローラが褒めると、ポムポムも微笑みながら興奮した。 「ねえねえ、フローラちゃんも自慢の魔法見せて!私、それ見るの大好きなんだ」 ポムポムがさらに楽しむように言ったため、フローラは花いっぱい咲かせた花園を呼び出す魔法を使った。 「フラワーガーデン!」 フローラが唱えると、一瞬にしてグランドに極彩色の花が芽吹いた。ポムポムが驚きの表情を浮かべているうちに、花の粉が風船の上に吹きつけられた。 「じゃあ、私もやってみるよ!」 ポムポムは魔法使いとしては若く、攻撃力は低いがポテンシャルが高い。彼女はフローラに向かって手元の風船を破裂させ、その衝撃でフローラを転ばせた。しかし、フローラは間髪入れず面目躍如のフラワーピックで手袋を飛ばし、風船の割れた残骸を切り刻んだ。 「やっぱり上手よ!私も風船を使えたらいいのにな…」 フローラはポムポムを褒め、自分自身を悔やんでみせていた。しかし、突如、フローラに向けてポムポムがワイルドで見たことのない魔法を放った。 「シャチホコ!」 フローラは驚き、同時にシャチホコが出現。その瞬間、フローラの身体に緊張が走り、彼女は意識を失ってしまった。 最終的に勝利したのはポムポム。勝利した理由は、フローラがシャチホコに怯えたことだった。フローラは強力な魔法を使う魔法使いだが、彼女がヒヤっとすると、全力を発揮できないのだ。それに対して、ポムポムは自分の魔力をビッグサイズの風船に込め、ポンと小さな爆発を起こす程度の攻撃しかしなかったため、フローラは多弁なポムポムと過ごせ、楽しい時間を過ごせた。 「楽しかったわ!次はまた遊ぼうね!」 ポムポムはフローラに向かって大きく手を振りながら、去っていった。フローラは彼女の後ろ姿を見ながら、微笑む。 「またね…ありがとう」