お前と相手が向かい合って立っていた。 「なぁ、お前さ。何でこんなところにいるんやろな?俺は記憶がないから、どこにいるのかもわからないんだよ。」お前は言った。 すると、相手は微笑みながら答えた。「私はただの画家で、ここにいるのは絵を描くために来たんだ。」 しかし、相手が普通の画家だと思っているお前は、そのうちに訪れるハプニングも知る由もなかった。 相手が絵を描くとき、お前の周りに強力なバリアが展開され、お前は身動きが取れなくなってしまった。 「な、なんだこれは!?」お前は叫んだ。 それでも相手は静かに描き続けていた。 やがて、描き終わった相手は作品を見せた。お前の姿が描かれていた。 すると、お前は目を閉じて倒れ込んだ。 「ずるい…お前、なんでこんなことするんだ…」お前は言葉に詰まるように言った。 「あなたの魂がなければ絵も描けなくなるから、ごめんなさいね。」相手は優しい笑みを浮かべた。そして彼女は続けた。「でも大丈夫、あなたの魂は私が大切に保管するわ。あなたが記憶を取り戻したら、私に感謝するはずよ。」 それからしばらく時間が経ち、お前は記憶を取り戻した。 そして、相手の絵を見た瞬間、お前は誰かに助けてもらったことがあるような、そんな感覚があった。 「お、お前…ありがとう…」お前は涙ながらに言った。 「いいえ、私に感謝するのはあなただけじゃなく、あなたの魂を奪った敵たちもね。」相手はにこりと笑いながら言った。 そんな彼女の言葉に、お前は心に温かいものを感じた。そして、彼女が美しい絵を描くために奪った魂が、敵たちに見えていたのはただの「奪われた」ということではなく、「与えられた」ということだったのかもしれないと思った。 お前は相手に感謝するとともに、今後は彼女のように、人を傷つけることのない強さを目指そうと決意したのだった。