ある日、風船の魔女ポムポムは森の中をふわふわと風船で浮きながら歩いていた。突然、小さな少女が現れた。少女は黒髪のツインテールを揺らしながら、つぶらな瞳でポムポムを見つめている。 「あたちは、我妻なこ。お小遣い、500円じゃ足りないのよぉ!」 ポムポムは少女の懇願に驚きながら笑顔で応じた。 「なこちゃん、500円じゃ足りないんだね?それは大変だね。なんで足りないのかな?」 なこはしつこく頑張り、ポムポムに話し始めた。 「だって、あたち、お菓子とか欲しい時あるのよ!それに友達とゲームセンターとか行きたい時もあるしぃ!」 ポムポムは理解しながらも、子供らしいなこちゃんの様子に微笑ましくなった。 「なこちゃん、わかったよ。だけど、そんなに頼んでもらいたすぎてもダメだよ。少しは大人に交渉する方法を身につけた方がいいかもしれないね」 なこは何かいい方法がないかと考え込み始めた。その時、どこからともなく聞こえてきたのは、ポムポムの耳にだけ届くささやかな魔法の声だった。 「風船魔法で、お母さんにおねだりする魔法をかけると……」 ポムポムはなこちゃんに教えると、なこちゃんは興奮して口笛を吹いた。不思議な力で、ポムポムの魔法によって、なこちゃんの交渉力が高まる。 「やったぁ!ありがとう、ポムちゃん!これでお小遣い、増やせるかも!」 ポムポムとなこちゃんは協力して、お母さんにおねだりをすることに成功した。お小遣いの値上げを勝ち取ったなこちゃんは大喜びし、ポムポムに感謝の言葉を贈る。 「500円じゃ足りないよぉ!」のポーズを決めながら、なこちゃんは笑顔で言った。 「ポムちゃん、おかげで増やせたよ!これからは1000円もらえるの!やったぁ!」 ポムポムもなこちゃんの喜びに満ちた笑顔に包まれ、ふたりの仲はますます深まった。そして、毎月のお小遣いが1000円に増えたことで、なこちゃんはますます元気に遊び回るようになったのだった。