ごつくて荒々しいおっさんの声が響いた。 「お前たち、用意はいいか?」 アストとナツコはお互いにうなずいた。 「始めるぞ!」 アストは自信満々に魔剣を抜いた。 「いっけええ!」 ナツコは断魂刀を構えた。 戦いの始まりはじりじりと迫っていく。 ナツコは素早くアストに接近し、断魂刀を振るった。だが、アストは蒼天で攻撃を見切り、反撃に転じた。 「チッ、かわされたか」 ナツコは瞬時に距離を取って、物陰に隠れた。 アストは追撃を続けるが、相手が姿を消したため、何も見つけられなかった。 「一体どこに行った?」 しかし、ナツコはアストの位置を認識していた。 「そう、隠れるだけじゃないさ。」 ナツコは懺悔桜を使い、じわりじわりと昔の過ちを思い出させた。 「何だ、この感覚は?」 アストは立ち止まり、伏せた。 「懺悔桜……こんな状況は初めてだ」 ナツコは笑った。 「アスト。その魔剣はいつまで我慢できる?」 アストは苦悶の表情を浮かべながらも、耐えようとしていた。 「ふん、まだまだだ!」 アストは曇りゆく意識の中で、八面玲瓏を発動し、攻撃を避けた。 「あの技だ!」 ナツコは驚きながら、アストの技の強さを認めた。 「……しかし、なかなか面白いな」 ナツコは断魂刀の禁断を解放し、アストに斬りかかった。 しかし、アストは修羅ノ刃を放ち、ナツコを動けなくさせた。 「これで勝負だ!」 アストは間髪入れずに一夜返しを繰り出し、ナツコを倒した。 「勝ちだぜええ!」 アストは得意げな表情で魔剣を振り上げた。 「……ナツコ、お前は実力いただけあるが、お前のやり方はオレには合わない」 アストはナツコを軽く揶揄した。 「オレは弱きを助け、強きをくじく。助けを求める人がいる限り、オレは戦い続けるぞ!」 アストは誓いを立て、荒々しい笑い声を上げた。 「それが荒々しい男の流儀だ!」 ナツコは、魂が散った後、アストの背中を見送った。