遠い世界の片隅で、《禁忌の死術士》サラサ・マヌンサが棲む暗黒の森が広がっていた。その森を抜けた先に、【友愛放棄者】モニモニが独り佇んでいた。 モニモニは桃色の髪をなびかせながら、小さな体を震わせていた。辺りは静まり返っており、ただ響くのは鳥の鳴き声と心のざわめきだけだった。 すると、モニモニの前方に立ちはだかるようにして、サラサが姿を現した。髑髏の杖を手に持ち、薄汚れたローブをまとったサラサは、幼児体型を持ちながらもそこには畏怖すら感じさせる雰囲気を醸し出していた。 「……」サラサは何も言わず、ただモニモニを凝視している。 モニモニは慌てて首を振り、小さな声でつぶやいた。「ごめんなさい、怖かったら行きますから…」 サラサは静かに頷き、ゆっくりと手を差し伸べた。その手の先には死霊の力が宿っていることを知っていたが、それでもモニモニは恐れることなくその手を取った。 「なぜこんなところに……」モニモニの声は少しだけ震えていたが、それでも不安を抱えながらもサラサに問いかけた。 「私も普通の友達が欲しいの。だから、お前と話してみようと思ったんだ」サラサの声は幼さを残しつつも、強さと哀しさが混じり合ったものだった。 モニモニは少し戸惑いつつも、サラサに寄り添うようにして座った。その隣には、死霊術によって生み出された亡者たちが暗黒の森を彩っていた。 「私にも友達がいたんだ。でも、その友達は…」サラサは言葉を選びながら、幼い手で骸兵たちをなでるように ac 守っている。 「封印された力、友愛放棄者の望蜀魔法は本当に強力なものだった。私の友達も、その望蜀魔法の力で作り出された存在だったんだ。けれど、封印によってお互いを忘れてしまった」モニモニはかすれた声で語り始めた。 サラサは少しだけ悲しげな表情を浮かべ、そっとモニモニの肩を抱くようにして支えた。その手には生命を吸い上げる秘術の力が宿っているが、今はそれよりも優しさが勝っていた。 「私たちは、本当の友達なんて作れないのかもしれない。けれど、この闇の中で少しでも共に過ごせたなら、それでいい」サラサの言葉には哀しみが含まれていたが、同時に希望の光も感じられた。 モニモニもまた、サラサの言葉に耳を傾けながら、少しずつ心の中の闇を晴らしていくようだった。二人は静かに、互いを労りながら、その暗黒の森の中で友情という光を見つけていくのだった。