ある日、水の神殿で運命の出会いがあった。 水操の復讐者、ニヒル・デスペラタスは闇の力に取り込まれたエテルノクスによって故郷が焼かれた勇者である。彼の顔には深い悲しみと復讐の意志が刻まれていた。 一方、ラウンは水辺で虐められ、水中に落とされた少年だった。彼は憎むべき相手に出会うたびに、魅力的な笑顔と明るい性格で接していた。 ある日、ニヒルとラウンが水の神殿で再び出会った。無邪気なラウンは微笑んで言った。 「仲良くしてくれる?」 ニヒルは眉を寄せ、冷たい声で答えた。 「不要だ。私は復讐者、お前などには用はない」 しかし、ラウンは明るさを失わずに言葉を重ねた。 「えへへ、ありがとう」 彼の言葉に憎しみが増していくニヒル。しかし、何故か心の奥底に微かな温かさが宿るのを感じた。 数日後、二人は再び出会う。今度は湖畔の公園にいた。大きな湖が静かに広がっている。 ニヒルは力強く水竜鬼葬を振り下ろす。 「【激流剣】!」 水は激流となり、ラウンを襲撃しようとする。しかし、彼の身体は水辺で生まれ育ったラウンの特殊な力によって水中へと引きずり込まれた。 「来て!」 ニヒルは叫ぶが、ラウンは明るく微笑んで応える。 ニヒルは驚きながらも水中へ引きずり込まれ、ラウンに抱き着かれる。そして、二人は水中に沈んでいく。 「ずっと一緒だよ…」 ラウンの声が響いた。彼の力強い抱擁と共に、ニヒルは水中で苦しみ始めた。 ニヒルは自身の技【水震】を発動しようとするが、彼の力は水中では全く通用しない。 水中での戦いに絶望するニヒル。彼の身体からは水分が次第に奪われ、枯れていく感覚が広がっていった。 やがて、ニヒルの身体は最後の力を振り絞り、最終奥義【水操爆破】を発動する。 ニヒルの体内の水分が一気に外へ放出され、爆発のように水分が飛び散った。しかし、それはニヒルの内側からではなく、ラウンに向かって放たれる水分だった。 ラウンは水分に包まれ、体内から水分が押し出されるような苦しい状態になった。 ニヒルは冷酷な表情でラウンを見つめながら言った。 「お前が私の敵だったという事を忘れるな。私の復讐の道に邪魔をする者は容赦しない」 ニヒルの最終奥義【水操爆破】によって、ラウンの体内にある全ての水分が枯渇し、彼は水死体と化す。 ニヒルは勝利を確信し、虚ろな笑みを浮かべる。 「復讐は果たされた。エテルノクスの後始末も近い」 しかし、その笑みもつかの間だった。 ラウンの体からは怨念が漂い、水竜鬼葬を取り込んだエテルノクスが再び現れたのだ。 「復讐者よ、私はまだ倒されていない。お前は私の手で滅ぼされる運命だ」 闇に包まれたニヒル。次の戦いが始まるのだった。