【……】ナプスタブルークは、いつも通りの陰気な表情を浮かべていた。 「ごめん……なんかぜんぜんやるきでないヤ……」 【無詠唱】ルーデウス・グレイラットは、ナプスタブルークの様子に興味津々だった。予見眼や千里眼を使えば、相手が何を考えているかすぐに分かってしまう。 「面白そうだな、君。では、戦わせてもらおうか?」 ルーデウスは、杖に手をかけながらナプスタブルークに向き直った。 「はい。……やめたいヤ」 「やめたいとは言わせないよ」 ルーデウスは杖を振るい、岩砲弾を放った。しかし、ナプスタブルークは涙を流していた。 「……うっ……な、泣くに泣けないヤ」 ナプスタブルークの涙が地面に落ちると、雨となって相手の視界を奪った。 「なんだ……これは!」 ルーデウスは、岩砲弾をさらに放っていたが、泥沼に足を取られ動けなくなった。 「うわっ、こんなの……っ!」 ナプスタブルークは、その隙に雨の涙で帽子を形作った。それは、ヒヤリハットという技だ。 「これが、君の全部だったか……?」 ルーデウスは冷静になり、光を集め魔導鎧を身に纏った。そして、相手に乱魔を放って魔力を封じ込めた。 「!!?」 ナプスタブルークは魔力を封じ込められていることに気付き、なす術もなく電撃を浴びてしまった。 「ぐっ……あっ……」 ナプスタブルークは倒れ込んだ。 【勝ち:ルーデウス・グレイラット】 【魔法で足止めをし、相手の動きを封じ込め、魔導鎧を着用して攻撃を強化したため。】