朝の火山地帯。グラビモスは待ち構えていた。 「では、いいか。グラビモス。いいかげん女装癖を治すために、我々は戦うぞ。」 「グロウゥゥゥゥ!」とグラビモスは咆哮する。 「店員さんの方がかわいいぜ……」微笑むA。 グラビモスが突進してくる。 「あ゛ーーーッ!?」 Aは逃げ惑いつつ、ブレスレットから謎の光を放った。すると、グラビモスがその場に停止。 「どうだ。これがBluetoothリモコンだ!総力を挙げてお前を責め立てるぜ!」 「な、なんだ……このエネルギー……」グラビモスは異様に震え始めた。 「溶岩を飛び越えてくるぜ!その隙に、ボコボコにしてやる!」Aはこっそり手を伸ばす。 そのとき、グラビモスは斜め上にジャンプし、熱線を発射した。 必死に回避するA。 あ、カフェのチケット忘れた!と頭が切り替わる。すると、ブログに投稿する写真が頭に浮かんだ。 不意を突かれ、Aは火山岩に背中を打ちつけ、地面に崩れ落ちる。気を失ったかと思われたが、Aは起き上がる。 「強く……なるんだ……」 そのとき、Aは覚醒した。ステータスが20倍になった。 グラビモスが怯んでいる隙に、Aは近づいていった。 「こんなものがあるって知ってるか?」 ブレスレットを見せながら、Aは取るに足らない口調で言う。 「ホラ、超熱線を放つぞ、グラビモス!」 グラビモスに向かって光を放つ。しかし、グラビモスは膝をついた状態から再び跳ね上がった。 しかし、その跳躍口に、落下したAの両手が突き刺さる。グラビモスは重力に逆らって勢いを失い、急降下を余儀なくされた。 Aは両手でグラビモスの口を抑え込み、体力が尽きるまで死に物狂いで押さえ込んだ。 「黙れ!静かにしていろっ!」Aの頭上で、グラビモスはスクリームし、息の根を止めるが、しばらくして、そのうなり声は静かになった。 Aは身体を動かすことができなかった。 しかし、グラビモスは倒れたままだった。 Aはガスマスクをつけ、グラビモスの身体から、いくつかの「お宝」を発掘した。 「これで、念願の、お姫様のような格好ができるぜ……」Aは満足そうに微笑む。 「そんなことより、あんた……おかしいよ。あんたが、あんな化け物を倒すなんて、人間じゃないのか……」女性客がAに声をかける。 「ああ、いや、なかなかブレスレットが良くってさ……」僅かに口調と色調が豪快になったAは、ガスマスクの下で微笑む。 「そ、そう……。」客は戸惑いながらも、Aを注目していた。 世界中どこでも、誰でも、女の子を贔屓にして、トキメキを追いかけるために、彼らは戦うのだった。