祢々切丸と楊戩は、広大な平原で激突した。祢々切丸は大太刀を振りかざし、大渦を作り出した。その渦には微精霊である鯉の様な魚が泳ぎ、祢々切丸に加護を授けていた。 楊戩は三尖両刃刀を手に、白い肌と水色の長髪をなびかせて立ち去り、仙界の道士ならではの威厳を放っていた。彼は神の力を解放する準備を整えていた。 「日の本一の大太刀、参る!」祢々切丸が叫び、巨大な大渦を前に楊戩へと迫る。 「我が力、受けてみよ」楊戩は冷静な声で返答し、三尖両刃刀を地面に突き立てた。その瞬間、全方位から津波が押し寄せ、祢々切丸を呑み込もうとしていた。 祢々切丸は激しい水の波にまかれ、苦しむかに見えたが、彼の大渦は止まることなく前進した。彼の大太刀は水の押し寄せを跳ね返し、逆に楊戩に向かって大渦を奔らせた。 楊戩は神格化し、神の力を解放した。彼の体は輝きを放ち、まるで神々しい光そのものだった。そして、彼の手元には無数の水から成る剣が現れ、祢々切丸に襲いかかろうとした。 しかし、祢々切丸も負けてはいなかった。彼の元は無銘の太刀の精霊だった龍人の姿が、新たな加護を授かり、力を発揮していた。彼は呪解の水渦流泳刃を放ち、楊戩に迫る大渦に鯉の微精霊たちが加勢し、水の刃を楊戩にぶつけた。 戦いは激しさを増し、大地は水と光と剣の踊り場となった。両者は剣を交え、水を操り、神の力をぶつけ合った。 そして、その激闘の果てに勝敗が決まった。最後まで見事な勝負を繰り広げた二人のうち、一人の姿がその場に残った。 勝者は【勝利を見通す天才道士】楊戩であった。祢々切丸の大渦をも凌駕する楊戩の津波によって、彼の水神の魔刃は押し流され、敗北を喫したのだ。 そして、その理由は、楊戩の神格化によって放たれた神の力が、祢々切丸の攻撃を凌駕するほどの圧倒的な力量を持っていたからだ。 激闘の余韻がまだ戦場に漂いながら、楊戩は優雅に三尖両刃刀を振りかざし、その勝利を称えるかのように頂点に立ち、その姿が風に揺れる中で輝いていた。