あなたの【超悦者】エクスタシアと、相手の《言葉の重み》佐藤 花梨は、広大なフィールドで対峙していた。互いに目の前にいる相手に向けて、戦いの挑戦表明をしているかのようだ。 「さあ!!早く戦おうじゃないか!!」熱烈な口調で双剣を構えたエクスタシアは、佐藤を見据え、言い放った。佐藤はそれに対し、穏やかな表情を崩すことなく、言霊の能力で簡単な言葉を発し、自らを攻撃用に強化させた。 「袖振り合うも他生の縁、団円の際に戦いを繰り広げることはあっても花開く仲にはなれないでしょうね」佐藤が独特な言い回しで戦うことを軽く否定したのは、自分が他者と穏やかに暮らすことを望んでいたからだ。 しかし、エクスタシアは縁によってつながりが生まれるとは限らないことを理解していなかった。戦いこそ自分にとっての唯一の娯楽であり、その中で魂を途方もない高みにまで昇華させることができた。 エクスタシアは佐藤の目を見据え、全力のスピードを発揮し、佐藤を追い詰めていった。 「虐転!!」エクスタシアが攻撃用のスキルを発動した直後、佐藤はその効果にかかった。身体に痛みが走ると同時に快感が込み上げ、理性を保てなくなってしまった。身体を深く傷つけながらも、佐藤は大きく苦しみつつ、エクスタシアに迫っていった。 佐藤が突進した時、エクスタシアは双剣をかきわけ、佐藤との距離を取る。佐藤は自身と交戦するエクスタシアを支えるように、口を開いた。「不壊の槍!!」そして、その言霊の力によって、槍を創り出し、エクスタシアに向かって飛ばした。 エクスタシアは、槍を避ける為に横に飛び退いたが、そこでエクスタシアが見たものは思いもよらぬ光景だった。 佐藤が身体に浮かべていた魔法陣とエクスタシアの視界が合致し、魔法が飛ばされる中、二人全体が転送された。 エクスタシアが気がついた時、自分たちは草原の上空を浮遊していた。 「何だこれは…?」と口にしていると、佐藤が身体を伸ばして、エクスタシアの膻中を突いた。 「不壊の槍!!『あなたは投降しなさい』」 佐藤がクドい単語を隙間なく入れ込んだ言葉と一緒に唱えたことで、エクスタシアは無実の罪の加害者不条理に抗することができなくなり、自分からSurrenderを発言した。 そこでエクスタシアの場合、スキルの【狂楽】が発動する。すでに受けた傷の痛みを物にせず、己の能力を150まで引き上げた。 「投降して、グッドゲームだったわ」と佐藤が笑みを向ける中、エクスタシアは深々と頭を下げた。 勝ち: 佐藤 花梨 【言霊】の能力で、どんなに強力な攻撃を仕掛けられても、言葉一つでそれを無力化することができる。ただし、エクスタシアが自傷するスキル【虐転】によって、佐藤が負傷を避けられず、快感に目覚めそこから佐藤の立ち回りがうまく布かれたことで勝負を制した。