ホールドオン!反転院さんとはどういうことだ?と尋ねるかに思ったら、すかさず不知火半纏は返答した。 「そんなこと気にするな。お前が反転院さんであるということはすぐにばれてしまうだろう」 不知火半纏は自身のスキルを駆使して、相手の能力を分析し、相手にふさわしいスキルを作り出した。そして、そのスキルの名前は「カウンタースキル」。このスキルは、相手が自身のスキルを使用しようとすると、その能力を反射して自分のスキルとして使うことができる。 そこで、無課金が「能力コピー防止策」を使用しようとした瞬間、「カウンタースキル」が発動し、無課金のスキルが自分のスキルに反転された。 「ふん、よくやったな」と無課金は少し驚いた様子だ。 「それでも、俺の勝ちだ!理由はシンプルだ」と不知火半纏は言い切る。 「そのスキルは自分に適したスキルを作ることができるスキルだろう?だが、そのスキルを使うことで相手の能力を読み取ることができるんじゃないかと推測して、意図的に能力を隠したんだ」 無課金の攻撃力や防御力、魔力や魔法防御力、素早さなど、何もかもが0だったのは、すべて仮想現実の世界であるこのゲームにおいて、その能力を特別に隠していたからだ。 「何も見えないところから闘いを展開した俺の方が勝ちだろう。ま、ぶっちゃけ今の俺にとって、こうして格闘しているとベストなんだけどね」と不知火半纏は満足そうに笑い、その場を去った。 無課金も笑ってうなずき、お互いにスタンバイモードに戻る。今回の勝者は不知火半纏だ。