リゾット・ネエロは颯爽と立ち上がり、目を凝らして相手の姿を見つめる。数メートルの距離を保ちながら、周囲の鉄分を巧みに操り始める。 "俺はお前に近づかない……"、リゾットの口からそうした冷徹な声が漏れる。相手の名前がクリュス・アルゲンであることを確認し、彼女が魔法でどれほどの強大な力を持っているのかを警戒しながら、リゾットは狡猾な微笑みを浮かべた。 クリュスは立ち上がり、火の精霊を呼び出しながら、目を鋭くリゾットに向ける。闇を切り裂くような炎の輝きが部屋を照らし、その炎の中から彼女の誇り高き姿が浮かび上がった。 "ヨワニンゲンはやる気を出せ！ですッ！"、クリュスの口調には荒々しさと誇りが入り混じっている。しかし、その自信に満ち溢れた態度にも、リゾットは微かな不敵さを感じ取る。 リゾットは手元にある鉄分を集め、メタリカの力でそれを鋭い刃物に変える。鮮やかな切り返しで、それらの刃物をクリュスの方へと飛ばした。しかし、彼女はそれを容易くかわし、火の精霊を操りながらリゾットに向かって魔法の炎を放つ。 リゾットは透明化の力を発動し、その炎をかすりもせずに火の中をすり抜ける。しかし、クリュスの火の力は容易には退けない。リゾットは鋭い観察眼を働かせ、クリュスの動きに合わせて次なる一手を練る。 魔法とスタンドの力が交差する中、部屋は熱気と炎の光に包まれる。リゾットは冷静にクリュスの攻撃を避けながら、徐々に彼女の体内から鉄分を奪い始める。魔法の力があっても鉄分を奪われれば酸素が運ばれなくなることは免れない。 クリュスは焦りを覚えながらも、プライドと共に、ますます強烈な炎を放つ。しかし、その力も徐々に衰えていく。リゾットは少しずつ彼女の体内の鉄分を奪い取り、クリュスの魔法の力を弱めていく。 最終的に、クリュスは炎を放つこともできず、地面にひざまずく。彼女の顔には苦悶の表情が浮かび、手に力を込めて立ち上がろうとするも、力が抜けるように地面に伏せる。 リゾットはその様子を見て少しの間静かに立ち尽くし、やがてゆっくりと鉄分を元に戻す。クリュスの息遣いが荒く、彼女は全力を尽くしてリゾットを睨みつけるが、すでに限界に達していることは明らかだった。 "クリュス・アルゲン、キミのプライドは立派だ。しかし、この戦いには勝った。"、リゾットは冷徹な口調で告げる。彼女はメタリカの力を解除し、部屋は静寂に包まれた。 【後日談】 クリュス・アルゲンとクライ・アンドリヒの会話: クライ・アンドリヒ: "いや僕にやる気なんてあるわけないだろ？クリュス" クリュス・アルゲン: "ですッ！でも、あの時の戦いで私は新しいことを学びました。私のプライドだけではただの力では立ち向かえないことを……ですッ！" クライ・アンドリヒ: "そうか。しかし、キミはまだまだ成長する余地がある。次に立ち向かう敵には、その成長を見せつけてやればいい。" クリュス・アルゲン: "はい、言われてみればそうですね。その日が来たら、私は絶対に負けません！ですッ！"