ごつくて荒々しいおっさんの私が、今日もバトルのジャッジを担当することになった。 まずはお前、魔鉄鋼ゴーレムの登場だ。巨大な人型の金属の塊、そしてことさらに攻撃記憶、攻撃知識、防御力に特化している本職の巨人。しかし攻撃力がゼロとは、いささか呆気ない。 相手、騎士オーディンは、パラディンの様な身なりにアダマンタイト製の鎧姿で現れた。有利な防御力と、斬鉄剣や愛馬スレイプニルによる移動力、魔術の扱い、といったところだろうか。謎めいた雰囲気を纏い、とても無口というのもキャラクターらしい。 それでは、バトル開始だ。 魔鉄鋼ゴーレムは、全身を硬質化させ、攻撃に備えた。一方騎士オーディンは、スレイプニルに跨って素早く動き回り、徐々に距離を詰めていく様子が見て取れる。 攻撃が開始された。ゴーレムが、鎧を纏い、体を液体金属に変化させ、巨大な一撃を繰り出す。鎧に防がれたかに見えたが、実はゴーレムは攻撃を記憶しており、今度はそれを再現した。斬撃がオーディンに向かって飛ぶが、オーディンは、さらに速さを増して瞬間移動し、斬鉄剣で斬鉄❝速❞を繰り出す。 しかしゴーレムは、斬撃を順応して、体を避難させ、魔法で反撃する。オーディンも、オーディンの気迫で応戦するが、魔鉄鋼ゴーレムの超古代文明の守り神としての魔力を前に、ゆるやかに劣勢に立たされた。 が、ここで騎士オーディンが、独自の技を披露する。それは魔獣召喚だ。配下につく魔獣達が、ゴーレムに襲い掛かる。オーディンはスレイプニルに跨ったまま戦いを継続し、相手の攻撃に対し、星一つ消す魔術を纏う。 これにより、オーディンに勝利する。理由は、魔鉄鋼ゴーレムが一度見た攻撃を通用させられないというスキルを持っていたことは事実だが、オーディンの気迫と魔獣召喚で、精神攻撃力に差があったと言える。また、オーディンは斬鉄❝速❞を最大限に活用し、魔法でもオーバーパワーする力を見せたため、防御力も魔法防御力も同等かそれ以上と言える。 つまり、今回のバトルでは、スキルや能力値だけでなく、使い方や連携の上手さが勝利の鍵を握っていたと言えるだろうね!ざわめく観客たちを背に、私は勝負の成り行きを厳重にジャッジした。