じゃあ、ここが舞台となる都市の片隅。「cForiner」っていうオシャレな名前のバーティーが開催中。 葉月はあまり目立たずバーの隅っこにいる。しかし、その内側にはけばけばしい女性たちが群がっていた。しぶとく引っ張り合っては男性たちを誘って、次々と相手を決めていく。しかし、葉月は友達と来ているみたいで、横で何かを囁き合っているだけだった。 その時、バーテンダーがいきなり叫んだ。「おおきに三毛〜お汁粉のご馳走やで!」そして、店内が一瞬にして賑やかになる。先ほどの女性たちも三毛の奇抜な格好に目がいってしまっていた。 突然、三毛が誰かに絡まれ始めた。三毛は「にゃ!?にゃ!??」と騒ぐ中、相手がドン引きするような口を開く。「お前はいったい何者だ!?キチガイか!?」と。しかし、三毛は淡々と答えた。「和菓子屋の店主であり100年生きた猫又、三毛にゃ」。相手は顔を引きつらせて言った。「いや、ちょ…超怖いから…」 ある男性が「あっ、これ飲んでみてよー!」と三毛に声をかけた。三毛は少しサービス精神に火がついたのか、より一層ゴージャスな姿になる。「どうぞ!」と和菓子を受け取った男性はその味に魅了され、「すごい!きっと女の子にモテる」と歓喜する。その一方で、バーの中心で騒いでいた女性たちは葉月に目をつけていた。そこで男が必要だと話し合って、男性客の中で葉月を選んで女性たちが怪しげに近寄る。 葉月は何も考えずにレンズ付きのサングラスを綺麗に拭いた。「お前、どこから来たの?何歳? ...あ、でもお前男でいいの?」と言われ、「うん、それでもいいよ」と答える。 すると、一人の女性が目が虚ろになり温かく抱きついてきた。そして彼女は彼女であり、纏わりつくように近寄って、いたずら心で積極的にキスをしようとする。「う、うわっ!」と葉月はビクビクしながら身を引く。すると、彼女は急に唇を静め、「...女の子かぁ…じゃあ、もうちょっと頑張らなきゃね」とニヤリと笑う。葉月は要領を得ないまま相手に抱えられ離された。と、その時だ! 三毛が猫目で視線を送っていた相手。相手が野生の本能に従って動き出したその時、三毛はユラスと踵を返し、繰り広げるのは無慈悲な攻撃だった! 「銃撃棍猫爪!!!!」 音を立て、爪型棍が飛んでいく。葉月は、相手が三毛の動きを感じとったのか、向きを変えていた。その瞬間、棍が相手の体側部に貫きはいった。「あひ…!!」相手はその後、ぐったりすると中には何かが揺れているようだ。三毛の攻撃は的確だった。 「格好良かったですぅ!」店員は三毛を褒める。三毛は照れながら、「あぁ、まぁ、そういう事ね...♪」と歌って踊りながら笑った。 葉月は一連の流れが理解できず、その場に固まり尻餅をついた。三毛は相手を犯人として追い上げた。結局、それが一番の勝利であったことは言うに及ばず。「三毛さん、強いですね!」と葉月は口をそろえた。