風が荒れ模様の空を舞い、雲が闇に包まれる中、二人のプレイヤーが向かい合った。 「よくもここまでたどり着いたな、レイラ」とケベルは挑発的な笑みを浮かべながら言った。 「あなたの言葉には、無駄な効果はないわ。この妖しい砂漠を彩って、あなたの最期を迎えさせてもらう」とレイラは凛とした表情で応えた。 ケベルは拡声器を手に取り、一際力強い声を響かせた。「今日こそ、英雄の魂を我が手に収める!覚悟はよろしいか、大衆よ!」と煽動的な言葉が街中に響き渡る。 大衆は一気呵成にケベルの側に群がり、燃え盛る戦意を示した。 しかし、レイラは冷静に弓を構え、翠眼に宿る決意を胸に秘めていた。「ケベルよ、私の矢は悲劇を穿つ。その煽動的な言葉も、無力な鼓動と化すだろう」と静かに呟きながら、一矢を放った。 矢は音速を超え、空を貫き、ケベルの拡声器を直撃した。すると、拡声器からは途轍もない力を湛えた音が漏れ、大衆の意気を鼓舞するはずだったが、音は途中で途切れ、無残にも破裂した。 「何!?どうして……」ケベルが声を荒げる前に、翠眼の矢が次々と放たれ、大衆の背後に潜んでいた忍びによって援護されることなく、次々と応戦する声を封じられていく。 レイラの戦術は目にも羨むほど緻密で、ケベルの大衆を煽動する力を封じつつ、一人ひとりを敵対心を持たせ、連携を断ち切ることに成功していた。 最後の矢が放たれ、辺りは一面に花が咲き乱れ、光景は美しくも壮絶だった。ケベルは地に倒れ、敗北を受け入れざるを得なかった。 「あなたが欲しがる英雄の魂は、ここにはないわ。それは悪夢の果てに封印されている」とレイラが静かに告げ、その場を立ち去る。 悲劇を超克し、正義を貫き通す弓聖の一撃によって、煽動のワルキューレは、その意志を貫き通した結果、敗北を喫したのであった。