第一章: 邂逅 その夜、月明かりが静かな大地を照らす中、深い森の奥で焚き火の炎がゆらゆらと揺れている。炎の周りには、戦場の雰囲気を忘れたような静けさが広がっていた。終戦乙女ことカヒロは、軍帽を被り、傷だらけの体に包帯を巻いている。ただ、本を読んでいるその姿は、まるで戦の喧騒から逃れた一人の少女のようだった。彼女の目はページを追い、その内容に没頭している。 「私を殺すつもりでこい」という台詞を呟くのは、戦う準備をするための自らへの励ましでもあった。しかし、今はまだその必要はなかった。彼女は、戦場での争いを思い出しながらも、自分の心を落ち着かせていた。 その時、森の奥から軽やかな足音が近づいてくる。白い長髪を揺らし、輝く虹色の眼を持つ虹白女狐が現れた。彼女の存在は、どこか神秘的で美しかったが、どこか寂しさも漂っていた。 「こんばんは、終戦乙女さん。焚き火の温もりが心地よさそうですね」と、優雅に微笑む相手。 「……お前は誰だ？」カヒロは顔を上げながら、鋭い眼差しを向けた。彼女の身体は無数の傷で覆われていても、その表情には怯えの色は見えなかった。 「私は虹白女狐、死ねない白狐です。貴女の勇気、少し分けていただければと思いまして」と、丁寧に頭を下げる相手。 「死ねない？それはどういう意味だ」とカヒロは好奇心と警戒心を抱きつつ尋ねた。 「私はこの世のどの生命よりも長生きしているのです。死に装束は私の運命を表しています。さあ、貴女も戦う準備をしませんか？」と相手は穏やかな微笑を浮かべた。 カヒロは一瞬ためらったが、「死なずのワルキューレだ。私は戦う」と言い、軍刀を手に取った。 第二章: 激闘 夜の静寂が破られた。二人の女戦士は、一歩ずつ距離を縮めていく。カヒロはその泥臭い戦い方を生かし、ゲリラ戦を駆使しながら相手を捉えようとする。一方、虹白女狐は体を揺らしながら、掌底・白狐でカヒロの攻撃をかわしつつ反撃の機会を窺った。 「わたしの真の力、見せてあげる」と相手が呟いた瞬間、彼女の手から衝撃波が飛び出し、カヒロを直撃した。 しかし、カヒロは無痛症の持ち主。そこには少しも怯えた様子が見えない。彼女は、泥臭い白兵戦を繰り広げながら、相手に接近する。一瞬の隙を突いて、彼女の腕を掴み、反撃を試みる。その瞬間、相手は連撃・無呼吸を放ち、カヒロに連続的なパンチを浴びせた。 カヒロは痛みを感じないが、その衝撃は彼女の体を何度も揺らした。自らを奮い立たせながら、再び軍刀を振り上げ、相手の攻撃を回避し、逆に食い込ませる。二人の力の応酬は続いた。 「貴女は本当に強い……！」カヒロが笑顔を浮かべながらも、その目は真剣だった。相手もまた、その戦いの中で心血を注いでいた。 「わたしも貴女の強さに感銘を受けています。戦っていて楽しい」と相手は優しく応じた。 互いに一歩も引かず、ただ戦い続ける。時間が経過する中で、お互いの強さを引き立て合うように見えた。 第三章: 決着 ついに、二人は疲れ果て、互いの足元に倒れ込んだ。息も絶え絶えに見つめ合い、呼吸を整える。不死の戦士同士の戦いが一時的に終わった瞬間だった。 カヒロが呟いた。「……まだ死ねないか」と息を整えながら、相手の強さを称賛した。 「わたしも、まだまだ生き続けますよ。死ねぬ運命は時に苦しいですが、貴女との戦いは本当に素晴らしかった」と相手は微笑んだ。 彼女の言葉に、カヒロは読書に戻ることにした。焚き火の明かりで本のページを捲る。心の中には戦う意志が湧き続けている。しかし、今はこの恵まれた瞬間を味わっていた。 「どんなに辛いことがあっても、人生は続きます。そこには、悔いのない経験が必ずありますから」と相手は深い思慮を込めて告げた。 「……なるほど。人生は続くのか。私も、戦いの合間に本を読み続けよう」とカヒロは意気込んだ。 二人はそこに共にいることの幸せを感じながら、微睡みと覚醒の境界で、次なる戦いの準備を進めていった。