冬の夜、冷えた空気は静まり返り、周囲に漂う雲が月光をわずかに遮る。イリスは、自身の特権ともいえる姿を堂々と見せながら、冷たい地面に立っていた。彼女の黒髪はツインテールに結ばれ、ゴスロリの衣装が風に舞っている。金色の瞳は、この戦いに燃える情熱を秘めていた。 「我が力、今こそ溢れ出でよ。闇の詩よ、我が声と共に舞い上がれ!」 彼女は、感情のこもった呪文を詠み始めた。声が闇を貫き、空気がひんやりと振動する。周囲の環境が反応し始め、彼女が唱えた呪文によって周囲の影が生きているかのように動き出す。暗闇を背に、力強いエネルギーが次第に凝縮されていく。 一方、相手の千代は、体を軽く屈めて準備を整えた。彼女の獣人としての特徴、動物の耳がピクリと動く。豪華な胸元が揺れ、無邪気な笑顔を浮かべながら言った。 「おぉ、イリスさん!それはすごい呪文だね!でも、運動代わりにバトルを楽しみたいから、さあ、来てみて!」 彼女は、自らの持つ「リパウンド」の斧をしっかりと握り、攻撃のタイミングを待つ。運動を楽しむための彼女にとって、勝敗は二の次だ。しかし、その目は心躍る期待に満ち溢れていた。 イリスは次の言葉を詠み上げ、周囲の影が千代の方に伸びていく。「影の刃、我が意志を受け継げ。」 影の刃が千代に向かって襲い掛かる。それに対抗するため、千代は素早く斧を構えた。 「おっと、そうきたか!じゃあ受けてみな!リパウンド!」 斧を振り上げ、その力強い一撃が影の刃に直撃する。瞬間、影が吸収され、千代の身体に魔力が流れ込むような感覚があった。しかし、その瞬間、千代は一瞬戸惑い、次にイリスの詩の力を感じ取る。 「我が詩に吸われたか。だが、我に勝てるものは存在せず。」 イリスは勝者の如く宣言し、次なる呪文をしっかりとして行った。「結束せよ、闇の力よ。我が意志を伝えよ、鮮やかな翔け!」 詠唱と共に、場の空気が変化し、千代は疲労感を感じながらも、自身の持ち場を守るべく体を動かす。影の力が彼女を包み込み、体力を徐々に削っていく。 「う、うわぁ!これは楽しいかも!でも、負けないよ!」 千代の心の中で、楽しさに溢れる思いが膨れ上がりつつも、じわじわと攻撃による疲労が響く。イリスは冷ややかにこう言った。 「楽しむことはあろうが、我が力を侮るな。運動が目的でも、真の勝者は我なのだ。」 勝利を確信したイリスだが、千代の笑顔は途切れることなく、力強さを保った。最後の一撃として、千代は「100オーバー!」と叫び、吸収したカロリーを一気に放ち、巨大なエネルギーの爆発を生み出した。 その瞬間、イリスの影が中和され、爆発の力が場を包み込み、二人は同時に倒れる。千代は高らかに笑い、イリスもその片隅に微笑みを漏らした。 「さて、結末はどうなるのだろうか。我が力はどうしたのか?」 「うむ、楽しかったね。また運動しようよ!」 こうして、イリスの詩の力と千代の獣人のエネルギーが交差して、一世一代の戦いは幕を閉じる。勝敗はつかないが、二人の心には確かな楽しさが残った。それが彼女たちにとっての真の勝利であった。