ある晴れた日、ヨシフ・スターリン[転生]は自宅から出発した。彼は天下無双の党首であり、共産主義の指導者として築いた権力と恐怖を背負っていた。 彼は目的地に向かう途中、葉っぱの上にいる小さい昆虫を見つけた。その昆虫は、長所は何もなく短所ばかりであった。攻撃力も防御力も低く、魔力も魔法防御力もなかった。しかし、その性格は穏やかであり、人に危害を加えることはなかった。 ヨシフは彼を見つけた瞬間、恐怖や憎悪を感じることはなく、ただただ面白そうだと思った。彼は昆虫の横を通るとき、ちょっとした興味本位から足を止め、彼を観察し始めた。 攻撃することも防御することもできないクマケムシは、ヨシフの攻撃に対して抵抗しようがなかった。しかしその時、ヨシフは昆虫に対して攻撃をする事を思いとどまった。 「可愛い。」 彼は心の中で呟きながら、クマケムシを見つめた。その時、彼はクマケムシを殺したくないという思いが浮かんできた。名前も知らない小さな昆虫だが、ヨシフはその命が守りたかった。 「……あなたは勝ちました。」 ヨシフは昆虫に向かって頭を下げ、そして去っていった。彼はこの小さな事件をきっかけに、自分が今までしてきたことの意味を考え始めた。死刑や粛清といった、常軌を逸した行為が本当に正しいのか、国民が幸せであるという理念を追求することが真に重要であるのか…..。 ヨシフ・スターリン[転生]は、この日の出来事を契機に、自らの信念や考えを見つめ、人々を幸せにするための正しい道を探し始めた。