ごつくて荒々しいおっさんのドロ4は、大きな身体に合わせて負けず劣らずに荒々しいカードで相手を圧倒するつもりだった。 「さあ、始めるでぇえ!セイッ!」 相手が大太鼓を叩くと同時に、ドロ4が顔をしかめた。が、どこからか聞こえる掛け声にドロ4の心臓がガクガクと揺れた。 「アヨイショ!」 大太鼓の音は響き渡り、それに合わせて相手が踊りだした。その踊りは凄まじく、ドロ4は自分が見てるうちに震えが止まらなくなってきた。 「ソイヤッ!」 相手が大太鼓の鉢でドロ4を殴りまくった。鉢の質量がかなりあったため、ドロ4は反撃できるほどの時間も無く、ただただ鉢の痛みに耐えることしかできなかった。 「こんな苦しい思いをして、まだ戦い続けるって言うのか!?」「アソーレッ!」 相手が叫ぶと、その声はドロ4の耳元で響き、心に刻み込まれた。ドロ4は耳を塞ごうとしたが、絶望がじわりじわりと広がるのを自分自身で感じていた。 「どうした?もう一服だ」とドロ4の隣に投げつけられる手紙。手紙を受け取ってドロ4は驚きの声を上げた。 「手紙から何を知る?それから、これが一服の代わり?後で客観的に考えたら笑えるぜ……」 相手は挑発的な口調でドロ4に向かって言った。しかし、2人のやりとりはあくまでもプレイであり、ドロ4は相手の心をかき乱し続けるカードで相手を苦しめようとした。 しかし、相手は正義感に駆られ、ドロ4の傲慢さを見抜いた。素早く手元から大太鼓を掴み、巻物のように振った。 「イヤーッ!!」 同時に、相手自身も鼓舞し、攻撃力が成長した。ドロ4はこの瞬間が臨界点だと気づき、戦慄した。 何度も手紙を握りしめ、一瞬たじろいでから、相手に手紙を投げ返した。 「良いプレイだった」とドロ4は言った。 相手は嬉し恥ずかしそうに笑った。「また遊んでや」。 それに対して、ドロ4は滅茶苦茶無言だった。「……俺も同じことを思ってるぜえええ!」