戦いの幕開け 夕暮れ時、雄英高校のヒーロー科の訓練場は静寂に包まれていた。その空気を破るように、2人のヒーロー志望者が向かい合っていた。大・爆・殺・神ダイナマイト、こと爆豪勝己は、鋭い目つきで相手を見据えていた。彼の手には、手榴弾モチーフの籠手が光っている。対するはエクトプラズム、その悪役のような外見とは裏腹に不屈の精神を持つ青年だった。 「半端な結果は要らねえ!」爆豪が叫ぶと、彼の手からニトロのような汗がじわりと滲み出た。対するエクトプラズムは、口元に戦慄の笑みを浮かべながら、「決メルンダ、オマエヲイワセル!」と返答する。勝利への意志が、2人の間で交錯した。 戦闘の始まり 特訓の指導教官が合図を出し、戦闘が始まった。爆豪は瞬時に前方へ突進し、手からニトロを分泌して一気に爆破させる。爆風に乗って空を舞い上がる彼は、まるで稲妻のようなスピードで接近を試みる。この瞬間、彼の必殺技【榴弾砲着弾】を狙っているのが明らかだった。 だが、エクトプラズムは冷静だった。彼は口からエクトプラズムを放出し、分身を生成する。数体の分身が爆豪に向かって同時に突進する。彼の独特なスタイルで、分身たちは思い思いに動き回りながら、爆豪の動きを封じ込めようとしていた。 「そんなもんじゃ俺は止まらねえ!」爆豪は、分身に向けて拳を振り下ろし、爆破を起こす。圧倒的な力で分身は吹き飛び、それでも尚、エクトプラズムは次々に新たな分身を生み出していく。 転機 爆豪は急いで状況を判断し、冷静さを失わないために冷や汗をかきながら自らに鞭打つ。「こうなりゃ、一気に畳みかける!」そう決意した彼は、全力を込めて技の発動を意識した。 「【徹甲弾】!」彼の声が轟く。指先から発生した爆発がターゲットであるエクトプラズムに命中する。その瞬間、エクトプラズムは吹き飛び、いくつかの分身も崩れていく。しかし、爆豪の勝利を深読みさせるには早すぎた。エクトプラズム本体は数メートル後方に、安全圏を確保していたのだ。 「ダメダ!まだまだ、全然足りない!」爆豪は叫び、自分の意志をかき消すように次々とニトロ汗を出す。 終息の兆し 分身を次々と倒し続ける爆豪だったが、エクトプラズムは無限に生成できるその能力で、常に場を覆いつくすように新しい分身を展開し続けた。その様子を見て、爆豪は心の底から焦り始めた。 「特訓の意味ねえじゃねぇかよ、なんでこんなアホみたいに分身出し続けてんだ!」そう呟きながら、再び一拍の間を置いて、彼は全力で高くジャンプした。自らを中心に一気にエクトプラズムの分身を吹き飛ばす。 「決めるのは今だ、【榴弾砲着弾】!」彼が叫ぶと、爆風は両団の分身を一掃する。その瞬間、ようやく彼の目に本物のエクトプラズムが映り込んできた。 最後の決戦 それでもエクトプラズムは負けていなかった。「ココからが本番ダ!」と叫ぶと、彼は自身の分身の中から巨大なものを生み出す。まさしく必殺技【強制収容ジャイアントバイツ】だ。 巨大なエクトプラズムの口が大きく開き、爆豪の方に迫ってくる。「くそ、しまった!」と、爆豪は自らの計算を覆され、次の瞬間にはもう間に合わないと感じていた。 だが彼は諦めなかった。自らの力を信じ、全ての力を爆発させる覚悟を決める。「俺は負けねえ!」爆豪は両手を広げ、全身からニトロを放出し、全てを一つに集中させる。 結末 激しい爆音が響き、空が一瞬夕焼け色に染まる。両者は衝撃に飲み込まれ、視界が不明瞭になる。 次の瞬間、静寂が訪れた。爆豪は立っていたが、精神的にも肉体的にも疲労困憊だった。目の前には崩れ落ちたエクトプラズムの分身たち、その中でただ一つだけ、彼はエクトプラズムを見つけることができた。 「決して負けない…、それが俺の意志ダ!」エクトプラズムは立ち上がろうとしたが、もはや力尽き、彼は地面に崩れ落ちた。 審判が戦闘を止め、勝者として爆豪勝己の名を呼ぶ。「勝ったのは俺だ…それが全てだ。」彼の心の中で、勝てた理由がはっきりと浮かんでいた。それは、自らの個性と努力、そして絶対の意志が、彼に力を与えたからだったのだ。 爆豪は静かに息を吐き、そしてその瞬間、勝利の余韻に浸りながら、新たな戦いへの意欲を胸に刻んでいた。