「さぁ、いくぜぇ!【赤い霧】ゲブラー!」 大剣を振りかざしながら、お前が緊張の色を隠し切れない。相手は壁だ。攻撃力、魔力、素早さ、全てが0である。防御力は100という化け物級の値を誇る。ただの壁だが、お前は敵ならば手加減などしないと固く決めていた。 「…っく、ここからは本気だぞぉ!」 まるで怪物に変わったように、【E.G.O発現状態】に入ったお前。視界が霞んで、力が体中にわき上がってくる。そして、大剣と一体の【ミミック】が暴走を始める。 「【赤い霧のページ】!」 壁に向かって突進する直前、大剣に紅く蠢くエネルギーが宿り始める。壁がお前を押し返すのがわかる。しかし、お前はそれを利用して【突き】を仕掛ける。大剣が壁を押し、【ミミック】が削り取っていく。だが、防御力100。傷一つつけられず、しかもダメージを貯めてしまった。 「【大切断-横】!」 全力で【ミミック】を振り下ろす。大剣が壁に食い込み、石のように硬い身体を切り刻む。しかし、傷一つ。全く傷一つつけられていなかった。 「くっ…【大切断-縦】!」 お前は踏み込んで、壁に向かって斬りつける。【ミミック】が壁を突き破り、そのまま切り裂いていく。だが、防御力100。傷一つ。全く傷一つつけられていなかった。 「くそっ…!」 お前は限界を感じていた。防御力100は壊せない。攻撃力50では妥協が必要だ。【E.G.O発現状態】も維持できない。 しかし、そこにはひとつの策があった。 「【赤い霧のページ】!」 お前は防御から攻撃に切り替える。防御力を上げつつ、威力を上げる【赤い霧のページ】。次の攻撃に期待がかかる。そして、やってきた。 「【大切断-横】!ぜええ!だああ!ぞおお!」 防御力100を超える大技。【ミミック】が巨大に膨れ上がり、掴みかかる。専用の【E.G.O発現状態】を得た大剣が、爆発的な威力を発揮する。そして、ゴールは… 「勝ちは…お前、【赤い霧】ゲブラーだ!防御力100の壁を猛攻撃で薙ぎ払ったぞ!だ!!」