終わらぬ奇跡の物語 夕暮れが近づく中、廃墟と化した街は深い悲しみに覆われていた。白い霧に包まれたその場所で、戦いの火花が散り、二人の運命が交錯した。 少女騎士、ルビィ・コーラルハートは、決して潰えぬ友情を信じ、強き決意を胸に、彼女の目の前に立つ存在、パンドラを見つめていた。コーラルピンクの髪が微風に揺れ、彼女の優しい紅瞳が、今まさに破壊されようとしている何かをその身に抱いていた。 「あのね、パンドラちゃん。わたし、悲しませたくないんだ！」ルビィの声は震えていたが、どこか力強い響きを持っていた。 一方、パンドラは激しい苦痛に苛まれ、その姿は巨人のように変わり果てていた。彼女の体は非情な実験の名残であり、痛みが彼女を暴走させていた。恐怖に満ちた叫び、「いたい！いたい！！」を繰り返しながら、鋭い爪のような触手を振り回す。周囲に散らばる強酸が、廃墟の壁を溶かしていく。 ルビィは心を決めた。友を救うため、互いに信じ合う未来を手に入れるため、彼女は胸の中で小さく輝く【パーソナルジェム】に手をかざした。「どうか、奇跡を。」 その瞬間、眩い紅玉の光が彼女を包み込む。ルビィの周りに現れた光は、彼女の願いを聞き入れ、彼女とパンドラの運命を変えようとしていた。渦巻く光は力強く、そして優しく、暗闇を照らす温もりを感じる。 「パンドラちゃん、もう大丈夫だよ！わたしがいるから！」その言葉がルビィを突き動かし、奇跡の力を解き放った。 激しい一撃が、パンドラの心と体を包み込む。そして、その瞬間、爆発的な力が彼女を襲った。周囲が焦土と化す中、ルビィはひたむきに手を伸ばした。 「パンドラちゃん、共に生きる。だから、どうか目を閉じないで！」 驚異の光が弾け、世界が静寂に包まれる。その声が響くたび、パンドラの中にかつての面影が戻り始めた。彼女は目を開けた。目の前には、優しい微笑みを浮かべた少女がいた。 「おねえ、ちゃん……」犠牲となった苦しみの果てに、パンドラはかつての心を取り戻した。その瞬間、力を失ってゆく体の中で、少しだけ輝く何かが生まれ、彼女の苦痛が消えていくのを感じた。 「もう大丈夫。一緒にいよう。」ルビィの手がパンドラの手を優しく包み込む。二人の間に流れる温かい絆が、奇跡的な力となった。 崩壊しそうなパンドラから、戦争孤児の影は徐々に薄れていく。二人の瞳の奥に宿る希望の光が、再び未来へと道を示した。 夕焼けに染まる廃墟の中で、少女騎士ルビィと希望の光、パンドラは手を取り合い、共に生きる未来を見据えた。彼女たちは厳しい道を共に歩むことを誓い、そしてどんな困難が待ち受けていようとも、友情の力を信じて明日を迎えることにしたのだった。 こうして、終わらぬ奇跡の物語が始まった。