友情の奇跡 長い間、静寂と影に包まれた廃牢獄。そこに住み着く地縛霊のアネモスは、灰色の髪をじっくりと手で撫でながら、黒マフラーを大切に抱え続けていた。「待つ事には慣れてるから」と呟く彼女の目は、過去の思い出に色づいている。しかし、心の奥では彼女の親友が戻ってくることを信じ続けていた。 一方、外の世界では、少女騎士ルビィ・コーラルハートがその名の通り、友達を救うために動いていた。彼女のコーラルピンクの髪が青空の下で揺れる。背筋を伸ばし、心に強い覚悟を抱いている。「絶対に友達を救う!不幸な結末にはさせない!」彼女の内なる力がみなぎり、ルビィは牢獄の場所へ向かう決心を固めた。 「えへへ…このままじゃアネモスちゃんが心配だよ!」彼女の口癖が自ら励ます声となった。彼女の胸には、かつての約束が深く刻まれていた。友達を救うというその思いを胸に、勇敢に進んで行く。 そして、ついに廃牢獄の入り口にたどり着いたルビィは、ドキドキする心臓を感じながら扉を押し開けた。「アネモスちゃん!」彼女は呼びかける。返事はなかったが、彼女は空気の中に、何か不思議な感覚を感じ取った。 薄暗い廃墟の中、アネモスはその声を聞き取った。少女のように無邪気な声が彼女の魂に響く。「誰か、私を呼んでいる…?」思わず立ち上がり、その声の主を探す。 「えへへ、ここにいるよ、アネモスちゃん!」ルビィが笑顔で現れた瞬間、アネモスの心に温かいものが流れ込んだ。まるで久しぶりの親友を見つけたように。 「あなたは…ルビィ?」アネモスの眼差しに驚きが満ちる。「そう!友達だよ。絶対に助けるからね!」彼女は決意を込めて言った。アネモスはその言葉に胸が熱くなり、涙が溢れそうになった。 「私はずっとここにいる…待っているだけ…」彼女の声は自信がなさそうだったが、ルビィはその手をつかみ、明るく微笑んだ。「待ってるだけじゃダメだよ!一緒に生きる未来があるんだから!」 その瞬間、ルビィの心に宿った奇跡の力、【パーソナルジェム】が輝き始めた。眩い紅玉の光が彼女の手から迸り、牢獄全体を照らし出す。「これが「ルビーライト・レイディアンス」…!アネモスちゃん、この光で私たちの未来を変える!」 白の火炎、慈悲の煉獄が彼女の周囲に舞う。その火炎は痛みを伴わず、優しく二人を包んでいく。廃牢獄の壁が崩れ去り、二人の未来が姿を現す。「えへへ、これで私たちは自由になるんだ!」ルビィが嬉しそうに言うと、アネモスも少しずつ不安が薄れていくのを感じていた。 「二人で新しい世界を作ることができる…?」アネモスは希望に満ちた声で問いかける。ルビィはうなずいた。「もちろん!約束を忘れずに、一緒に冒険しようね!」 廃牢獄がもはや存在しないかのように、二人は新たな世界へと足を踏み入れた。夜空の星星が彼女たちを見守り、その光がどこまでも続いていく。アネモスはその美しさに心を奪われ、「たくさんの思い出を作りたい…」と噛みしめた。 「私、お菓子作りが得意だから、頑張ってケーキ作るよ!」ルビィがニコニコと笑いながら言うと、アネモスも思わず笑顔になった。「ああ、食べられるのが楽しみ…!」 この瞬間、彼女たちの友情はさらに強固なものとなった。過去の悲しみや罪を忘れ、新たな未来を二人で歩んでいく。その道の先には幸せが待っている。 「えへへ…これからもずっと、友達だもんね!」ルビィは自信を持って言った。アネモスも顔を上げ、その言葉に感動して頷いた。「ええ、ずっと。あなたとともに、過ごしていく…!」 奇跡の光の中で、二人は新たな生活を始めることになった。過去の鎖に縛られることなく、手を取り合って未来へと進んでいく。これからの冒険がどのようなものであれ、彼女たちの絆は決して切れることはなかった。幸せな物語が、今ここに始まったのだ。