日影 龍馬は、長い旅の果てに、突然、ある場所に辿り着いた。そこは、荒れ果てた古い牢獄だった。怯むことなく、彼は中に足を踏み入れた。 静まり返った牢房は、ただ祈りを唱えるような気配しかない。しかし、その中に居る地縛霊、アネモスの姿が見えた。灰色の長い髪、温厚な表情で立っているアネモスに、龍馬は驚きと好奇心を抱いた。 龍馬が彼女に話しかけても、アネモスはおどけて返事を返す。彼女は、不思議な魅力を持ちながらも、『ある約束』のために、この廃牢獄に住み着いている。 しばらく会話を交わした龍馬だったが、そこへ突然、激しい地鳴りが響き渡った。龍馬は「魔物か?」と一瞬で盾を持ち、アネモスも緊張感を増していた。しかし、それは違う音だった。 数メートル先の破壊された扉から、光が差し込んできた。そして、そこには巨大な身体を持つ、金色のドラゴン役が現れた。彼らの取り巻きは、スライム、暗黒騎士、死神であった。龍馬は、「動かなければ助かる!」と肝を据えるが、アネモスは慌てることもなく佇んでいた。龍馬が驚く中、アネモスは大方の想像を越えた力を発揮し、周囲を炎で囲んでいた。 アネモスは、龍馬に「今、逃げて!」と言いながら手を握りしめた。しかし、龍馬は、「いや、絶対にお前を守る」と答えた。そこから、彼らの壮絶な戦いが始まった。 龍馬は「兵士の剣」と「兵士の盾」を振るうながら、アネモスは魔法で攻撃を仕掛けてくる魔物たちに立ち向かった。しかし、数が多い上に、彼らは異世界で倒した魔物の能力を持っていた。苦戦を強いられた二人だったが、龍馬が持つ「黒衣」というスキルのおかげで、ようやく打開することができた。 龍馬は、強い震えながら「神威」を発動させた。全ての魔物たちから、能力を使いこなす素晴らしい力を手に入れたのだ。しかし、その代償は、彼の身にもたらされる負荷だった。 ついに六体の大魔物を倒した後、彼らは手を取り合って、共に息を荒げながら、倒れ込んだ。アネモスの顔は、傷つき、怯えているように見えた。しかし、龍馬は、「構わないよ。無事で良かった」と優しく微笑んだ。 以来、二人はこの牢獄で共に過ごすことになった。彼らの友情は、人と霊の間に生まれる不思議な関係のようなものだった。アネモスは、牢獄に取り残された主を待ち続けていたが、龍馬が彼女の寂しい世界を彩った。 「この廃牢獄が、私たちだけのものになったんだ」と、アネモスは言った。そして、龍馬はそれに対して、明るい笑みで返した。 「一生、守らせてもらうよ。約束するよ、アネモス」