ファングは森の中を走り回っていた。彼はどこかで戦いたかったのだろうか。威勢のいい遠吠えを浴びせながら、大木を蹴散らすように駆け抜けていく。 しばらく走っていると、彼はエプロス・バーンを見つけた。エプロスはかわいらしい虎獣人で、モンクとしての冒険者でもあった。だが彼女はファングが見つけた獲物ではなかった。ファングは不満そうにうなった。 「何でこんな奴に出くわすんだよ。つまんねえなぁ」 エプロスはファングに気づいて、一礼した。ファングは彼女に睨みつける。 「おい、お前この森をかけめぐったら二度と俺たちのテリトリーには帰ってこないように。分かったら早く消えろ。」 エプロスは明るく笑って、取り合わずに立ち去った。 しかし、ファングは彼女を見逃すわけにはいかない。自分の格の低い相手を殴りたい欲求に駆られた彼は、黒い影としてエプロスの後をつけていく。 やがて、エプロスは魔法陣を描いて一点に足を止めた。彼女が何をしているのか理解できなかったファングは、黄色い炎がエプロスを包み込むのを見て驚いた。 「あれ、爆発するんじゃ……」 そして爆発が起こった。森の中に響き渡る大音響、そして光と煙。あの派手な爆発の中に、ファングはいなかった。彼の体がまるで消えたかのように。 エプロスは息を吹き返し、爆発を起こした場所にいたファングがいないことに気づく。あたりを見回した彼女は、彼の大きな体が一定の場所にいるのを見つけた。 「あれ、おかしいな。」 エプロスはファングの近くに行って衝撃を受けた。彼の体が現実離れした姿になっていたのだ。どうやらファングがスキル【身隠し】を使っていたということだろう。 遅れてきた森の狼たちを見て、エプロスは口を開いた。 「エクスプローション!」 そして、エプロスの奥義が爆風を起こした。森は若干変わったが、エプロスには何も起きなかった。彼女はトリックを見破られたにもかかわらず、無事勝ったのである。 勝ち:エプロス・バーン ファングがスキル【身隠し】を使った際に、エプロスがそれを見抜いて奥義【エクスプローション】を使用したことでファングは敗北した。また、ファングはエプロスの前で自分の威厳を保てなかったため、精神的にも負けた。