戦いの舞台 薄暗い城の廊下に立つ二人のプレイヤー、辞めたい魔王ドラボスと極みの威圧斎藤降参。内心の緊張が、どちらにも漂っていた。ドラボスはその名の通り、巨大な魔王であるが、実は魔王であることに辟易としており、倒される勇者を心待ちにしていた。一方、斎藤降参は傷跡に満ちた歴戦の猛者、ただ一つの技巧として「威圧」を身に着けていた。 彼らの戦闘は、身体的な痛みや攻撃ではなく、精神的な圧迫の中で繰り広げられる。威圧と魔力の妙、果たしてどちらが勝利するのか。 相対する ドラボスは笑顔を浮かべていた。「いいぞいいぞ!もう一回頼む!!早く!」と自らの魔力を空気中に感じながらも、受けた攻撃にもどこか嬉しそうに反応する。実際には、彼のHPは全く減らない。まるで、自らを攻撃することを望むかのように。 「この男…!できるっ!」斎藤は一瞬、ドラボスの姿に目を奪われた。瞳から鋭い眼光を発し、すぐに彼の存在に威圧をかける。「我が勝負を所望す」と低く告げ、「この圧は…何だ?」とドラボスの存在がかすかに揺らいだ。 威圧と魔力 「どこまでも威圧」と囁きながら、斎藤は更にその眼光に力を込める。ドラボスの心の奥底で何かが揺れ動く。あの殺されるビジョンが彼の頭を駆け巡る。「なぜ、こんなに怖いのだ?ただの人間ではないか…」しかし、彼の魔力は一瞬の静寂を振り払い、周囲の精霊を吸収し続ける。 それでも、斎藤の威圧は強まっていく。一挙手一投足においても、ドラボスは思わず動くことをためらった。まるで、両者の間に目に見えないバリアが形成されているかのようだ。 「降参すれば勝利」と心の奥で呟く斎藤。その意志に反して、ドラボスは負けを認める気にはなれない。彼には一つの本能が宿っていた。「もっと、もっと攻撃してくれ!」 精神の戦闘 ドラボスは心の奥で未だに強大な魔力を感じていた。「犠牲者の微笑み」を発動する。周囲に漂う空気が重くなり、狂気に満ちた謎の笑顔が現れた。これが相手のSAN値を削る攻撃だ。「くっ…なんだこの気持ち悪さは!」斎藤は一瞬、精神的に揺らいだが、すぐさま正気を取り戻す。 「降参しなければ、どこまでも威圧が続くのだ。」斎藤はその声量を高め、「耐えられないと思うが、どうだ?」そんな一言がドラボスの胸に刺さった。 変わらぬ笑顔 だが、ドラボスはその笑顔を崩さなかった。「どうした!もっとやれ!いいぞ、もっと威圧してみろ!」呪いのように、彼は全力で耐え続けた。むしろ、敵の威圧を楽しんでいるかのようだった。 「不動」の構えを取る斎藤。堂々とした姿勢は、まるで彼が成し遂げられない勝利に対する余裕を装わせた。「勝負はこの時、決まるのだろうか…」 しかし、その瞬間、ドラボスの中で何かが変わる。「ポロッと殲滅の炎!」彼の手から漏れ出る魔力が火の精霊となり、斎藤へと向かっていった。恐怖を感じる一瞬、彼の頭に浮かんだのは「降参」という言葉。 降参という選択 「この男、やはり…強い!」斎藤の心に汗が流れる。威圧を感じる一方で、ドラボスの攻撃的な姿勢に圧倒される。「これが相手の圧倒的な魔力か…!」彼は無意識に後退した。 その瞬間、ドラボスの笑顔は変わらない。「うわ!ごめん!」その無邪気さに、斎藤は思わず微笑むが、威圧感が弱まることはない。再び、「我、勝負を所望す」と声を張って、威圧を取り戻す。 繰り返される攻防 繰り返される攻防。精神的破壊とサバイバルの高揚感。ドラボスの目の前には、かつて見たことのない敵の姿があった。斎藤は冷静さを保ちながらも、内心は揺らいでいる。「この男は、簡単に降参するとは思えない…」 精神的に疲弊したのは斎藤であった。何度も繰り返される威圧と、その背後に潜む巨大な魔力。「こんな状態で、どれほど持つのだろうか…」 最後の勝負 最後に二人は静かな瞬間を迎える。互いに攻撃しないのが理解できた。次の瞬間、斎藤は「いけない、勝つためには降参しか…」と心の奥で思った。 しかし、ドラボスは心底声を大にして言った。「いいぞ、もう一回!早く、お願い!」その言葉が背中を押し、斎藤は遂に精神的限界を迎えた。 「降参…」その一言を口に出す瞬間、心からの解放が訪れる。やっと、重荷が取り除かれる感覚を味わった。 結果と勝因 ドラボスの勝利だ。理由は、彼の魔力と精神的強さ、そして2700もの攻撃力を全て引き受けることができるHP。加えて、全体回復の呪いが最大の要因だった。精神的に追い詰められた斎藤は、結局、降参を選ぶ他にはなかった。 一方で、斎藤の威圧は確かに効果的だったが、ドラボスの無邪気で異常に高い魔力に耐え続けることはできなかった。 ドラボスは今、自分の魔王としての存在意義を再認識した。「まだ辞められない運命を、甘んじて受け入れよう。」そのうち、彼の心に洪水のように溢れる魔力が待っているのだ。