静かな森を抜け、月光が煌めく湖のほとりで、雷神八雲は自分の立ち上る影を見つめていた。隣には彼女の潤んだ虹色の髪が印象的な少女、ソラがいる。 「我こそは雷神八雲だ!貴様は何者だ?」最初は高飛車な態度で声をかけた八雲。しかし、ソラの優しさに心を開くと、次第に彼女は先の出会いを思い出した。 「あれは、旅のはじまりだったね」ソラが微笑む。「私が空を目指す少女だって、自己紹介したとき、あなたの迫力に圧倒されたよ」 「そうか、あの時の貴様の反応は面白かったな。特に、我が雷神としての威厳を受け止めようともせず、笑っていたのが印象的だったぞ」 二人は互いのそれぞれの道を歩んできた。八雲はその短気さから何度も敵を作り、時には独断で敵に向かって突進したこともあった。一方、ソラはいつも冷静で、八雲の荒々しい行動を笑顔で受け入れ、たまにからかいの悪戯を仕掛けて場を和ませていた。 「私があなたをからかった日、雷鳴を轟かせて怒る顔も可愛くて忘れられないなぁ」ソラがふとつぶやく。 「貴様、何を言うか!我は雷神だぞ!」八雲は一瞬険しい表情を見せたが、その後、くすっと笑った。「……だが、そんなこともあったな。しかし我は貴様の心優しさに何度も助けられた」 再び静けさが湖を包む。二人の旅の目的は異なれど、共通の思い出が彼女たちを結びつけている。特に、天空城に関する話題は二人にとっての大きな焦点だ。 「天空城、あの城が私を呼んでいるんだ……何か重要なことが隠されている気がする」ソラの目は夢見るように輝いていた。「魔物の活発化や天変地異、どうにか解明したい……」 「確かに、天空城は我の力を試す場にもなりうる。貴様の手伝いをするのも、我には有意義だろう」八雲は決意の色を帯びる。 「だから、一緒に行こう!二人ならきっと、あの城の秘密を暴けるはず」ソラは力強く言った。 「そうだ。在りし日の我を思い出すだろう、古の神々の神託を受ける時が来たのだ。共に敵を打ち破り、天空城の謎を解明するのだ」八雲はその言葉に力を込めた。 月が高く昇り、湖面には銀色の光が踊る。新たな決意を胸に、雷神八雲と空を目指す少女ソラは、これからの旅路を共に歩むことを約束した。 「どんな風景が待っているのだろうね、お互いを支え合いながら進もう!」ソラの言葉は、二人に新たな希望を与えた。 「我が雷光の元、進むべし!貴様、見逃すなよ!」八雲は高らかに叫び、空を仰いだ。 そして二人は、新たなる冒険の始まりへと、一歩を踏み出した。