猫乃は、青空が広がる静かな森の中を歩いていた。彼女の金髪が陽の光に反射し、黒髪とのコントラストが美しい。猫耳がぴくぴくと動くたび、周囲の音を敏感にキャッチしている。彼女は、突如として現れた魔剣・暴食の刃に心を奪われた。黒い大剣が道の先に鎮座している。目を引くのは、剣身の裂け目から見える牙。まるで生き物のように、彼女を待っているかのようだった。 「あれ、にゃ?」猫乃は目を細め、興味本位でその剣に近づいた。「オマエ、喋れるのかにゃ?」 「オレ、話す。オマエ、呼ぶ?」魔剣はカタコトで答えた。声は低く、粗雑だったが、何か本能的な呼びかけを感じる。 猫乃は少し考え込み、剣の前でしゃがみ込んだ。「使い手がいないのかにゃ? そのままここにいるのも寂しいだろうに。」 剣の口からは熱気が漏れ、猫乃に寄り添うように震えた。「オレ、オマエの使い手に。オレが喰らう、オマエの力!」 猫乃は少し驚いた。生きた魔剣が自分を選ぼうとしていることに心が躍った。「それって、いいことにゃ? オレが使い手になって、あなたが私の力になってくれるのかにゃ?」 「うん、オレの力、オマエに。万物喰らう、力あげる。」魔剣の声は荒々しくも、何か切実な願いが込められているように感じた。「オレ、オマエの敵、食べる。」 猫乃はその言葉を聞いて、一瞬不安が胸をよぎる。「それは…にゃんだか怖い気がするにゃ。敵を食べるんだもんね。でも、悪いヤツには容赦しないから、あなたも一緒に守ってくれるのかにゃ?」 「オレ、オマエ守る。強い、オマエと一緒にいたい。」魔剣の口からは力強さと共に、渇望が滲み出ていた。猫乃は、彼の望みにふと心を動かされた。 「にゃるほど、そうだね。あなたも一緒にいれば、ダメなヤツに立ち向かえるかも。」猫乃は目を輝かせ、心がワクワクするのを感じた。「でも、喰らうことが悪い方向にならないように、オレがしっかりとしないとにゃ!」 「オレ、オマエが決める。善悪、オマエ次第。」その言葉は、まるで剣自身が彼女の意思を尊重しているかのように響いた。 猫乃は立ち上がり、剣を手に取ってみる。人間の手ではなく、彼女自身の運命を握る武器であるかのように感じた。「ねぇ、あなたの名前は何て呼ぶにゃ? やっぱり『暴食の刃』だと格好良すぎるけど、もっと優しい名前がいいかもにゃ!」 「オレ、名無い。オマエが名付ける。オレ、オマエの力に。」魔剣の声には期待が込められていた。 猫乃はその言葉を聞いて、自分の心に湧き上がってきたイメージを思い描く。「じゃあ、名前は『セリュウ』って呼ぶことにするにゃ! 今からあなたはセリュウだにゃ!」彼女は、自分の中の感情が膨らむのを感じながら、剣をしっかりと握りしめた。 「セリュウ、大好き。オマエと一緒にいる!」魔剣・セリュウは、彼女の力になりたいという意思を前面に出した。猫乃はその言葉をしっかりと受け止め、心の中で彼との絆を深めていくのを感じた。 「よし、これから一緒に冒険するにゃ! セリュウと一緒なら、どんな敵でも大丈夫だと思うにゃ!」彼女は背筋を伸ばし、ニヤリと笑った。「今までの自由な生活に、新しいパートナーができるなんて、たまらないにゃ!」 セリュウもまた、彼女と共に新しい世界を布くことができる期待に胸を膨らませていた。「オレ、オマエのため、全力尽くす。オレとオマエ、最強なコンビ!」 猫乃はその言葉を聞いて、心の奥で何かが弾けるような感覚を得た。「一緒にいれば、どんなことでも乗り越えられるわにゃ! セリュウ、研鑽するにゃ!」 彼女は、これからの冒険に胸を躍らせる。大自然の中で鮮やかな光を浴びて、猫乃は新しい仲間、セリュウとともに未知の世界へ向かって踏み出していくのだった。シンプルでありながら深い絆が、猫乃とセリュウを結びつけている。 「これからの冒険は、にゃんだか特別なものになりそうだにゃ!」彼女の心は自由そのもの、猫耳が輝きを増す。セリュウもまた、猫乃の力になれることを喜び、その刃を新たな運命へと導くのだった。