大罪生徒会の会計兼クラス委員長、熊埜御堂美咲（くまのみどう みさき）は、その名が示す通り、普段から「憤怒担当」の彼女は、時折周囲を混乱に巻き込む天然ボケを振りまいていた。この日も静かな街角に、事故を未然に防ぐために集まっていた。 「それな！本当にやばいことになったよね、あれ」と美咲は道の向こうで見えるかたつむりの観光客、かたつむり観光客を指さしながら言った。そして次の瞬間、彼女は何かを思いついたかのように手を叩いた。「ふぁっ！？私たち、あのかたつむりの観光客を助けようと思う！」 「え、なにを？」相手は戸惑い気味に聞いた。「彼はただの観光客だよ。」 「そうだけど、観光地図を持ってるし、人生を楽しむ方法を教えてくれるかも！」そう言うと、美咲はかたつむりに駆け寄り、「ねえ、観光地図持ってる？」と聞いた。 かたつむり観光客は、スローな動作で首を傾げた。「お、おれは観光客だけど、塩に弱いから気をつけて…」 「塩？何それ、味付け？」美咲は全く理解していない様子で笑いながら、さらに近づいた。すると彼女の後ろから、街の清掃員が現れた。 「お、またかたつむりを見つけたぞ！さあ、塩をかけてやる！」清掃員は一瞬で塩を振りかざした。 「え、なんで塩をかけるの！？これ観光申し込みだから、ほら、観光マップもあるよ！」美咲は焦って振り返った。その瞬間、塩の雨がかたつむり観光客に降り注いだ。 「うわぁ！」美咲は手を振り上げて叫ぶ。「ふぁっ！？観光客が溶けちゃう、これどうするの！？」 かたつむり観光客は瞬時に溶け始めた。「ああっ！な、なんで塩なんて…おれはまだやりたいことがあったのに！」 「そんなのダメだよ！」美咲は驚きと戸惑いの中で、周囲の人たちに助けを求めた。「助けて、観光客が溶けてる！」 「溶けるのはお前の仲間だよ！」相手はお腹を抱えて笑った。「何やってんの、あなた？」 美咲はその言葉に引きずられ、さらにテンパってしまった。「お仲間！？しかも観光客なのに溶けさせるのはマズいって！」 その時、かたつむり観光客の声が聞こえた。「うぅ、感謝して…でも、今はなんとも言えない気持ちだ。」そして、観光客は完全に塩に沈んで消えた。 「なんでぇ！？待って、観光客…お土産もらってないよ！」美咲は悲しみの叫びを上げたが、周囲ではシラケた空気が広がっていた。 「これ、本当に大罪生徒会のやることなのか？」相手は苦笑いしながら、まさに状況に呆れていた。「観光客が死んでも大罪にはなりゃしないんだが。」 「でも、私が出したのは、さっきの観光客の金塊のことに関して…」美咲は少し羞恥心を見せた。「そういえば、金塊って持ってたよね、あれ？」 「金塊？どの金塊のこと？」相手は何をか言いかけたが、凄い天然の反応に一瞬たじろいだ。 「あれだよ、道端で拾ったの。価値があるって教えてたのに、観光客は溶けちゃったから、私が持つしかないね。」美咲は言葉を続けた。「でも、あの金塊って、実は錆びた偽物なんだよ…？」 「ほんとうにそれでいいの？」相手は驚愕した。「結局、何も報われない気がするぞ。」 美咲は振り返り、急に思いついたように言った。「それな！でも、もしかしたらこの金塊を何かに使えるかも。道に迷った時の目印になるかもしれないし！」 「その目印、全然需要ないから！」相手は声をあげて笑い転げた。「それよりも、一体どうしてこうなったんだ？」 「あぁ、私の天然ボケが悪かったからね。」美咲は少し反省し、顔の表情を暗くした。「ごめん、かたつむり観光客に関しては、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。」 「いいから、おくらのことは忘れろ。次に何かあったら、ちゃんと手を打つから…あの金塊どうするかも、考えてみないと！」 そう言うと、美咲は観光地図を広げながら「うん、旅は続けるべきだよ！次の冒険の目的地、決めちゃおう！」と元気な声をあげた。 こうして、また一つの騒動が、生徒会の「憤怒」要員によって、混乱と天然ボケで締めくくられた。仲間を失った後でも、明るい未来を信じて、金塊を抱えたまま旅を続けるのだった。