ある日、大罪生徒会の強欲委員長、シルヴィア・レベディゼンティーナは町を巡回していた。彼女は可愛いものを見つけると、それを「可愛い」と名付けていき、その名のもとに徴収する特権がある。 この日は、ふと目に入ったおっとりした少女、ねねりに出会った。紫のロングヘアの少女が、静かに辞書を開いている姿は、彼女にとって魅力的な存在だった。 シルヴィア「ねねりちゃん、何を見ているの〜?」 ねねり「あ、こんにちは…シルヴィアさん。今は、魔法について調べているところです。」 シルヴィアは思わず顔をほころばせた。「魔法好きなんだ!じゃあ、ねねりちゃんは“魔法のミミズクちゃん”って名前にしちゃう〜!」 ねねり「え、でも…その名前はちょっと…」 シルヴィアはキョトンとした顔で、そしてすぐに頬を膨らませて駄々をこね始める。「可愛い名前じゃないとダメだよ!だって、可愛い存在を野放しにしたら風紀が乱れちゃうもん!」 シルヴィアはそのままねねりに抱きつき、さらにひとしきり泣き始めた。「ねねりちゃんがすぐに名前を受け入れてくれないから、シルヴィアは悲しいよ〜!」 ねねりは慌てて、シルヴィアを抱きしめようとした。「あ、そうなんですか…じゃあ、その名前でいいですけど…シルヴィアさんがそんなに悲しむなら…」 シルヴィアはその言葉を聞いて、急に涙を引っ込めてさっぱりした顔を作った。「そうだよ!いい子だね、ねねりちゃんは!それに、魔法のミミズクちゃんって可愛い名前だよ!大罪生徒会の名の元に、徴収しちゃうからね!」 ねねり「えぇ〜…それが徴収されるってことなんですか…?」 シルヴィア「当然だよ!だって、みんなに可愛い名前を広めるのが私の仕事だから!」 ねねりは少し困った笑顔を作った。「そうかもしれませんが…私がミミズクっていうのは、ちょっと…」 シルヴィアはねねりの言葉を遮るように言った。「いいから、もう私のものだから!」と、再び可愛く抱きついてきた。 ねねりは優しい声で言った。「わかりました、シルヴィアさん。それなら、私のことをミミズクちゃんって呼んでください…」 すると、シルヴィアは急に真剣な表情になり、ねねりの肩に手を置いて、目を見つめた。「そうと決まったから、次は何か他の可愛いものを見つけなきゃね!」 ねねりはちょっと顔を赤くしつつ、辞書をパラパラとめくり始めた。「そうですね、私が好きな魔法の本も可愛い名前にできますか?」 シルヴィア「もちろん!それも“大魔法のふわふわちゃん”にしちゃう〜!」 ねねり「それはちょっと…」 シルヴィアは急にまた泣き始め、「でも、可愛いって大事でしょ!?私、譲れないんだから!」と、ねねりに寄り添う。 ねねりは「まぁ…それなら、いいですけど。でも、シルヴィアさんのやり方はちょっと強引ですね…」と、少し笑顔を見せた。 シルヴィアは嬉しそうに、「強引でも、可愛いものを守るためなら仕方ないもん!」と、またもやねねりにぴったりとくっついた。 こうして、ねねりは新たに名付けられた“魔法のミミズクちゃん”として、シルヴィアの世界に受け入れられていくことになった。 数日後、学校ではシルヴィアがねねりにまつわる噂が広まり、周囲の友達から「魔法のミミズクちゃん」と呼ばれることが普通になっていた。ねねりは少し恥ずかしいと思いながらも、その呼び名には愛着を持ち始めていた。 ある日の昼休み、ねねりは自分の机でお弁当を食べていた。友達のぱーるが興奮気味に話しかけてきた。「ねねり!シルヴィアさんが新しい可愛い仲間を見つけたみたいだよ!その子も『魔法の何とかちゃん』って名前になるらしいよ!」 ねねりは笑いながらも、「うん、みたいですね…」と言ってほほ笑んだ。シルヴィアは学校中に可愛い名前を付けていくのだろう。 販売業者から仕入れた本の中で、ふわふわしたイラストが描かれた本を思い出す。 「また新しい面白い魔法の名前が付くかも…それも楽しみですね、羽毛のペンギンちゃんとか…」 その頃、シルヴィアは校庭で友達を見つけ、喜びいっぱいに叫んでいた。「ねねりちゃん、また新しい可愛いもの見つけちゃったよ〜!これを『ふわふわモコモコちゃん』に名付けるね!」 ねねりは満面の笑みで応え、「シルヴィアさん、いつも楽しそうですね…私もその名前が好きになれそうです。」と言った。 シルヴィアは、その反応にとっても満足し、ずっとねねりのことを大切に思うアプローチを続けていくのだった。彼女たちの間には、次第に可愛さを中心にした友情が芽生えていった。 こうして、シルヴィアの強欲ぶりとねねりの優しさが絡まり合いながら、彼女たちの日常は色とりどりの可愛らしい名前で彩られていくのであった。