街の喧騒が静まる中、草加雅人、すなわち仮面ライダーカイザは見つめていた。彼自身の心の中に渦巻く自己中心的な欲望と、その冷酷さが彼の行動を支配していた。周囲の人々は彼から発せられる不敵な笑みに怯え、知らぬ間にその目をそらした。 一方、乾巧、仮面ライダーファイズはその神経質な表情を崩さずに、目の前の敵を見据えていた。彼は普段の怠惰な態度を隠し、真剣な眼差しで草加を伺う。彼の内心では戦うこと自体が罪だと言い聞かせているが、その背にかけられた重圧は簡単には消え去らなかった。 「戦うことが罪なら俺が背負ってやる」とつぶやく巧の声が、静かな街の中で響いた。草加はその言葉に微かに笑みを浮かべ返す。「俺の事を嫌いな人間は邪魔なんだよ…」 彼らの戦闘は開始された。草加はカイザフォンを取り出し、コード［913］を入力して変身を遂げる。瞬時に彼の身体は黒い装甲に覆われ、仮面ライダーカイザとしての姿に変わった。 「行くぞ！」と叫びながら、草加は力強く前進し、相手に近づく。彼の戦闘スタイルは正統派の合気道だった。しかし、その裏には冷酷さが潜んでいた。巧は草加の動きを鋭く観察し、すかさず身を横にずらしつつカイザの攻撃を避ける。 両者が交互に攻撃を繰り広げていく中、草加の冷静な判断力が際立っていく。彼は巧の避ける動きに合わせて、合気道の技を繰り出し、相手を投げ飛ばそうとする。しかし、巧も敏捷性を生かし、うまくその攻撃をかわしていく。 「なかなかやるじゃないか、ファイズ」と草加は挑発的に言った。 巧はその言葉に答えるように、気怠げながらもキレのある飛び蹴りを放つ。「お前こそ、ただの卑怯者だな。」 その瞬間、草加はキックを受け止める。倒れたその勢いで、地面に叩きつけると同時に、彼の内面にある冷酷さがさらに燃え上がる。再び立ち上がった彼は、その目に光を灯し、「カイザスラッシュ！」と叫んで、光弾を発射した。 巧はその視線を受け、次の瞬間、彼自身もファイズフォンを取り出し、変身コード［555］を入力。彼の姿は赤い装甲で覆われ、仮面ライダーファイズとして姿を現した。 「来い！」巧は平静を装い、再度戦闘態勢に入る。 光弾が巧に向かって迫る中、彼は素早く回避し、草加の背後に回り込む。そして巧はすかさず立ち上がり、カイザに向けて「クリムゾンスマッシュ！」と叫ぶ。 円錐状の赤い光が草加を襲う。草加は冷静にそれに対抗しようとしたが、それは想定外の攻撃だ。彼は急速に身をかわしたが、一瞬の隙をつかれた。 二人の攻防が続く中、周囲の人々は彼らの戦いに恐れを抱き、逃げ出していく。しかしながら、草加はその場に単独で立ち続け、巧もまた屈しない。 「光はもう消えたか？」草加が口にする。 巧の口角が上がる。「戦わなければ、この戦いは終わらない。」 その瞬間、彼はファイズギアの動作を最大限に発揮し、次の攻撃へとつなげる。 巧は再び高く跳び上がり、草加に向かって強力な飛び蹴りを叩き込む。草加はそれをなんとか受け止めるが、その衝撃は彼にかなりのダメージを与えた。 「exceed Charge！」草加のベルトから流れる声と共に、光が彼の手元に集まる。次の瞬間、彼は「グランインパクト！」と叫び、ゼロ距離から巧へと突進した。 巧はその迫り来る攻撃を察知し、回避の速度を上げるが、間に合わない。その瞬間、草加は全力で彼を叩きつける。 激しい轟音と共に空気が揺れ、周囲の建物も振動する。草加は攻撃を決めた瞬間、巧の身体が後方に吹き飛ばされるのを見た。 そして、その瞬間、乾巧の身体と草加の力が反発し合い、一瞬の静寂を破って、巨大な爆発が巻き起こった。光と闇が交錯する瞬間、戦う者たちの視野が奪われる。 爆発の余波が収まると、街中は静まり返っていた。草加は立ち上がり、自らの勝利を確信していた。彼は勝った理由を冷酷に語る。「常に自己中心的であること。それが勝利をもたらす。」 乾巧は倒れたまま、苦悶の表情を浮かべていた。だが彼の心にはまだ、戦う理由が残っている。「俺は罪を背負い続ける…」 草加は薄笑いを浮かべて、街を見渡した。なんとも言えない優越感が彼を包み込む。結局、彼は勝者となったが、その心には空虚さが宿っていた。しかし、彼はそれを受け入れた。彼の心の中では、次なる戦いへの期待が待っていた。