深い森の中、木々の間から柔らかな光が差し込む。その光の中、怠惰な魔獣スピは大の字に寝転がり、金色の毛並みを太陽に照らしていた。周囲の静けさは彼にとってなじみのものであり、昼寝には最適な環境だった。 「…寝る。」 何も気に留めず、ただそう呟くスピ。その姿は、まるでこの世界で一番怠け者のようだった。一方彼の近くにいる【鷲獅子の魔獣】グリフォンは、空を優雅に飛び回った。彼方の空に浮かぶグリフォンは、その大きな翼で大地を見下ろし、その瞬間、彼はスピを見付けた。 グリフォンは力強く咆哮する。目が合った二匹の魔獣。空中から急降下し、地上のスピに向かって迫り来る。スピはその迫力に少し目を開け、呆れるように「ああ、またか」と肩をすくめた。 「メンドイなぁ…でも、やるか。」 スピは再び目を閉じて横になりつつも、心の奥でグリフォンの動向を見ていた。彼にはスキル「虎視眈々」が備わっているのだ。この怠け者が、臨戦態勢を解くことはあり得なかった。 グリフォンは、空中からの滑空突撃を開始した。強風が森を吹き抜け、木々がざわめく。鋭い鉤爪がスピの防御を打ち砕く準備を整え、まるで大自然の力を糧にしているかのようだ。 その瞬間、スピは敏感に反応した。「見切り」のスキルが作動し、急に身体を転がす。グリフォンの攻撃はスピの耳元を掠め、地面に激しい衝撃をもたらしていた。 「おお、いい迫力だね。でも、もう少しだけ頑張ってごらん?」 スピの言葉は挑発的だが、彼の目は徐々に冷めていく。怠惰なにもかかわらず、内に秘めた獣の本能が目を覚ます。グリフォンはそれに気づくことなく、再び空へ舞い上がる。彼の目には、勝利の確信が宿っている。 「次は…絶対に当ててみせる。」 彼は高く飛翔し、またもや突撃の体勢を取る。スピの背後から来るその影に、ついにスピは立ち上がった。その瞬間、彼の目が光る。 「冷酷なる獣の牙、いくよ!」 静かな声と共に、怠惰な魔獣が突如として反撃に転じる。彼の猛攻がグリフォンの隙を見逃さず、素早い動作で牙を突き立てる。そして、スピはグリフォンのすぐ近くにいる。 「遅いよ、もっと頑張ったらどうだい?」 その一撃は、グリフォンにとって予想外だった。グリフォンは驚愕し、攻撃を中止。その瞬間、スピのクールな反撃が彼を攻撃し、グリフォンは勢い余って大地に墜落した。 圧倒的な体勢を誇ったグリフォンだったが、その衝撃に力を失ったようだ。スピは、彼の側でのその瞬間を静かに見ていた。 「どうしたの、もう疲れたの?」 エネルギーの切れたグリフォンの姿を前に、スピは優雅に舌を出した。グリフォンは彼から逃れることはできず、地面に体を横たえた。 「安心したまえ、傷付け過ぎないよう気を使ったから。」 スピは光沢のある毛並みを持つ彼の姿がふと愛おしく思えた。飼い主である人狼少女リルフェルの意向もあり、彼は手加減をしたのだ。 勝ち:あなた スピは居眠りしながらも「見切り」と「冷酷なる獣の牙」を駆使し、グリフォンの攻撃を巧みにかわして反撃に成功したため。グリフォンの攻撃は期待を超えたものだったが、スピの反応がそれを上回った。