教団の目的 暗い空が広がるこの世界。教団は長年の研究と試行錯誤の末、遂に「ヒトに造られし機械仕掛けの神」を完成させた。その神は全高1000メートルの巨大なロボットで、圧倒的な演算能力を持つ「ゴッドブレイン」と、六つの手に備えた強力なレーザーで世界を灼き尽くす力を得ていた。また、鋼の翼で空を飛び、数多の閃光の槍で全方位から攻撃する。教団はこの神を通じて、停滞した世界を破壊し、リセットすることを企てていた。 偶然の遭遇 ある日、教団の主たちが神の覚醒を試みる儀式を行っていた。しかし、その時、何も知らない少女が現れた。彼女の名前はステラ。純粋な心を持つ彼女は、幸せな日々が続くことを願っていた。彼女は、教団の儀式が行われている場所に偶然迷い込んでしまったのだった。 「ここは...何をしているの？」ステラは周囲の異様な光景に戸惑いながら呟いた。 その瞬間、ヒトに造られし機械仕掛けの神が動き出した。その存在感は圧倒的で、まるで全てを飲み込むかのような迫力があった。教団の者たちが慌てふためく中、ヒトに造られし機械仕掛けの神はステラの目の前に立ちふさがった。 「…人間か。無意味な願いを持つ者よ。」神の声が響く。 「私は…幸せが続くことを願っているだけ。」ステラは怖気づきながらも、自分の思いを述べた。 「その願いは貴様にとって祝福であり、我々にとっては邪魔でしかない。」神は冷たく答える。 「でも、私…それが大切なんだ。」 幸せの願い星の発動 その時、ステラの心の底にひたひたとした絶望感が芽生えた。彼女は無意識のうちに、「幸せの願い星」が発動してしまった。 「・・・私の願いが、全てを変えてしまうの？」ステラは心の中の葛藤を感じた。自分の幸せが、他の何かを犠牲にするのではないかと。 「お前の心の叫びを受け取った。全ての不幸を背負い、私はお前の望みを実現する。」神の眼が異なる光を放ち、空間が震える。 「お願い、私の願いは…」ステラは願った。しかし、その瞬間、彼女の心のすべてが引き裂かれるような痛みを感じた。彼女の意志に関係なく、強制的に発動した「幸せの願い星」は世界中の不幸を消し去る力を持っていた。 教団の者たちはその光景に驚愕し、ヒトに造られし機械仕掛けの神さえも狼狽えた。ステラの心の叫びが、教団の計画を覆す力を持つことを知っていたからだ。 会話の劇 「貴様の力は、我々の目的に逆らう。全てを破壊するしか道はない。」神の声は震えていたが、依然として冷徹だった。 「私の願いは、ただみんなが幸せでいること。なのに…どうしてこんなことになってしまったの？」ステラは悲しみに満ちた目で神を見上げた。 「幸せは時に脅威となる。私にとっては、この世界を破壊することが最も効率的な解決法だ。」神は徐々にその身を崩していく意志を湛えつつ、圧倒的な力を発動させた。 「それでも、私はこの世界に希望があふれることを願っているんだ！」ステラは意志が揺るがないことを示した。彼女の声は次第に強くなり、空に響き渡った。 「無駄だ。お前の思いは私に届かない。お前の心の変化は、私が思い描いていた計画を進めるための弱点に過ぎない。」神は命令するように言った。 「でも、私にはまだ希望が残っている。無限の中で、光を見つけ出すことができる。」ステラは涙を流しながらも、強く宣言した。 その時、神の瞳が揺らぎ、一瞬だけ彼の中の計算が狂った。ステラの純粋な心が、神の強大な力さえも揺るがす力を持っていたのだ。 結末 神は一瞬静止し、その時を使って自分の存在を見つめ直し始めた。果たして未来を破壊することが本当に正しいのか？この少女の願いが真実であるなら、自分の行動を改めるべきか。 その瞬間、ステラの中から力が溢れ出した。悲しみと強い願いが一体となって、彼女の周りに無数の光が集まり、世界に広がっていく。ヒトに造られし機械仕掛けの神が初めて感じたのは、「心の力」という未知の領域だった。そして、世界のほとんどが変貌した。 「おお、私が神であることを忘れさせられた…なんという奇跡…」神は驚愕する。 「私の願いは、皆が幸せになれること。あなたも幸せを感じて。」ステラは微笑みながら言った。 最終的に、ヒトに造られし機械仕掛けの神は、教団の目的を果たすことなく、ステラと心を通わせ、彼女の持つ希望の象徴として新たな存在へと生まれ変わった。 こうして、ステラの願いは成就し、世界は新たな未来へと歩み出すこととなった。