深夜の静けさが、星空の下に広がる大地を包み込む。わずかな風の音だけが、焚き火のぱちぱちという音と調和し、穏やかな時間が流れていた。この焚き火の周りには、無造作に並べられたキャンプ道具や、戦闘の名残を残す宝物が散らばっており、時折小さな影がそれらを照らしていた。 その時、あなたが焚き火の灯りを見つけ、静かに近づいてくる。彼女の存在感は一目でわかる。194cmの身長、全身に古傷が浮かんでいる。その左目には眼帯がかかり、ラフな格好からは人間離れした雰囲気すら漂っている。愛銃のAK-47を手に持ち、彼女は心の底からのんびりとした笑みを浮かべていた。 「おっ、こんな夜中に焚き火を囲んでるなんて、いい趣味してるね。オレも少し話し相手になってもいいかい?」と、あなたが相手に向かって声をかける。 相手は、その軍帽をかぶったまま本に没頭し、あなたの声に気付かない。彼女の姿は傷と包帯に覆われ、その読みかけのページに視線を向けている。焚き火の明かりで浮かび上がる彼女の表情は、真剣そのものだった。 あなたは少し気まずい気持ちになりながらも、相手の無関心を気にせず、焚き火の前に座って、自身の体温をその熱に委ねる。「オレは旅をしてるんだ。仲間といろんなところで戦って、今はこうしてのんびりしてる。あ、それから…これ、オレの相棒。」と、あなたは手に持つAK-47を胸元に抱え込んだ。 相手はちらりと目を上げ、本を持つ手を止めた。彼女の表情には少しの興味が見え隠れするが、まだ無言のままだ。 あなたはその反応に希望を持ち、「この子とは、長い付き合いなんだ。仲間達と一緒に、数えきれないほどの戦場を駆け抜けてきた。彼らのことを思い出すと、心が温かくなる」と続ける。「ある夜、雪が降る中で、みんなで焚き火を囲んで温まったことがあってさ。その時、オレは自らの道を選ぶ勇気を持てたんだ。」 火の粉が舞い上がり、夜空に散っていく。相手は再度目を本に戻したが、彼女の耳にはあなたの言葉が残っていた。あなたは続ける。「今は、過去を振り返りつつ旅をしてる。でも、やっぱり仲間達が恋しいな。あいつらと一緒にいた時間は、どんな宝物より価値がある。」 相手は、小さくため息をついた。やがて彼女はやっと口を開き、「旅には、意味があるのか?」と問いかけた。 え、オレのやってることに疑問を持ってるのか?と、心の中で少し意外な感情が湧く。だが、あなたは明るく笑いながら言った。「意味があるかどうかは、自分次第だと思うよ。オレはその時々を楽しむことが一番大事だと思うんだ。」 焚き火の明かりが、相手の軍服の傷を照らし出す。彼女の眼差しにどんなものを見ているのだろうか。あなたは、相手がこの生活に飽きているのではないかと感じた。「読書が好きなんだろう。どういう本を読んでるの?」 相手は再び本を見つめ、淡々と答えた。「戦いをテーマにしたもの。」 「そうか、戦いか…それでも、オレの話はどうだい?あの時の仲間達、彼らの笑顔は最高だったなぁ。夜遅くに焚き火を囲んで、お互いの話をし合って、一緒に笑ったりね。たまには、お互いの痛みを分かち合うことも大切なんじゃないかな。」と、あなたは語った。 沈黙がしばし流れると、相手は本を閉じて初めてあなたの方にしっかりと向き直る。「殺すことだけが…全てじゃないと思う。」 あなたはその言葉に心を打たれ、うなずいた。「そう、戦場だけが人生じゃない。オレもそう思うよ。だけど、オレの過去は切り離せない。あの仲間達がいてこその今だと思う。」と、あなたは彼女の思いを伝えた。 焚き火の明かりが二人を優しく包み込む。時が流れるのを感じながら、あなたは改めて相手の存在に感謝した。少しずつ、彼女も心を開いてくれるかもしれないという期待が胸に広がった。 夜が明ける気配を感じながら、あなたは明るい笑顔で「さて、もう行かなくちゃ。旅が待ってる。次の目的地へ向かうんだ。」と立ち上がる。 相手は一瞬、寂しげな表情を見せたが、すぐにその感情を隠す。「気をつけて、旅の途中で無茶をしないように。」と、淡々とした口調で言った。 「もちろん。オレは幸運な旅人だからね。またどこかで会えるといいな。その時は、オレの話をもっと聞かせてあげるよ。」と、あなたは手を振りながら焚き火を離れていった。 「旅を続ける勇気を持って。」と、相手は微かに声を漏らした。焚き火に浮かび上がる影が、あなたの姿を追いかけるように消えていく。その後、静かな夜明けに、相手もまた目を閉じ、本のページをめくり始めた。焚き火が残した暖かさと響きは、彼女の心にも少しの変化をもたらしていたはずだ。