戦闘の舞台は、ひっそりとした廃工場。古びた鉄骨の霊気が立ち昇る中、あなたの伏黒恵は、その冷静な目を周囲に向け、心の中で戦闘の準備を進める。 「布瑠部⋯⋯やめだ やってやるよ！自由に！」と心の中で誓いを立て、領域展開の準備に入る。 一方、相手の田宮勝は、薄暗い中から静かに姿を現す。彼の目は金色に輝き、呪詛師としての威厳を放っている。「ここからは私の世界だ。針山の中で貴様を葬ってやる。」彼の言葉には確かな自信が漂う。 「領域展開・嵌合暗翳庭！」伏黒恵の声が響く。漆黒の影が周囲を包み込み、独自の空間を生み出す。彼は瞬時に2体の式神を召喚する。「玉犬・渾、鵺、行け！！」 どこからともなく現れた黒犬が吠え、雷を纏った怪鳥が空を舞う。しかし、田宮勝は怯むことなく冷静に返答する。「私の領域では、針は無限に存在する。貴様の式神など束になっても無駄だ。」 「針山合戦！」田宮勝が宣言した瞬間、周囲に無数の針が現れ、まるで雨のように降り注ぐ。ドンッ！という衝撃音が響き、伏黒の式神たちが次々と針に突き刺さる。 「くっ、こうなれば！」伏黒は咄嗟に指示を出す。「玉犬・渾、突進せよ！鵺は上空から先制攻撃だ！」 玉犬が獰猛な咆哮を上げ、針の雨を避けながら田宮勝に向かって突進する。一方、鵺は雷を帯びた羽を広げ、一気に空に舞い上がる。その様子を見た田宮勝は冷ややかな表情で笑みを浮かべる。「全ての針をコントロールする。私の勝利は確実だ。」 田宮は一歩後退し、針の大きさを変え、精密な攻撃を仕掛ける。「極の番 針風！」その瞬間、針の玉が逆巻く嵐のように展開され、伏黒の式神を襲う。 ドドドン！！！　雷鳴のように鳴り響く中、鵺も喉から火花を散らす。雷撃が周囲の針と打ち合いながら、爆発を引き起こす。だが、田宮の術式にはおびただしい数の針が残っている。「この針の嵐に抗えると思うか？」 「挑戦してみろ！」伏黒の声には負けん気が宿っている。彼はさらに式神を召喚する。「満象！脱兎、出ろ！！」仔象と大量の白い兎が続々と現れ、田宮に向かう。 「この数を相手にするのは面倒だ。なら、簡単に終わらせてやる！」田宮は両手を広げ、再び針を操る。「針による束縛。貴様の動きを封じることができる！」 ドクン、ドクン、ドクン。針の束が空を舞い、伏黒の足元に集中する。彼の動きを障害物のように固定し、次第に動きを抑えこむ。 「くっ、こうしちゃいられない！」伏黒は思わず叫ぶ。黒犬が田宮に向かって咆哮し、仔象がその影に隠れるように突進する。田宮は無表情のまま、その様子を見守る。 「これだけでは足りん。私の領域に束縛されるなら、貴様のすべてを支配してやる。」田宮の声が響く。 その瞬間、針が伏黒の周囲に広がり、彼を囲い込む。ドン！！！　炸裂音と共に、針の森が形成される。伏黒は一瞬驚いたが、すかさず冷静に状況を分析する。 「これは負けられない。絶対に負けられない！！」彼の意志が強く、玉犬が最後の力を振り絞る。鵺もまた、雷の力を高める。力を合わせて田宮に突撃する。 その瞬間、田宮の目がギラリと光る。「お前たちなど、恐れることは無い。私の『反転術式』があるから！」 針が一瞬の隙間を見つけ、逆に伏黒の式神に向かって刺さる。バコッ！という音と共に、玉犬が一撃で倒れ、次いで鵺が雷の力を失い落ちてくる。 「これで終わりだ。」田宮勝がゆっくりと前に出て、伏黒の目の前に立つ。「貴様の自由とは、私にとっては束縛に過ぎない。」 伏黒は力尽きた状態で、顔を地面に伏せる。「くっ・・・」言葉が出ない。田宮は完全に制圧した様子で、そのまま伏黒を見下ろしている。 その時、影が二つ、田宮の背後に現れる。「もう一人の領域展開者が来たのか？」振り返ると、影の中から別の呪術使いが姿を現す。 「これは私の戦いだ。二人の領域の競り合いだが、私が制する！」 「無駄だ。」田宮が小さくつぶやく。「私の針が貴様を貫く。」 ○○で、戦いは激化する。勝者は田宮に決まり、そのまま姿を消していった。 敗者である伏黒恵は、一瞬の静けさの中、見慣れたあの世の空港に移動した。空港は青白い光が漂い、不安定な雲がかかっている。周囲は無人で静まり返り、心の中にこみ上げる悔しさが彼を包み込む。 「自由に、もっと自由に戦いたかった…」彼はその言葉をつぶやき、手のひらをきつく握りしめる。次の戦いに向けた決意が胸に宿る中、何もかもが薄れゆくのだった。